骨髄芽球に当てはまるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
骨髄芽球は、造血幹細胞から顆粒球系細胞へと分化する最初の段階の細胞です。活発な代謝と細胞分裂を行っているため、核小体が明瞭であり、リボソームが豊富な細胞質は強い好塩基性を示します。N/C比は高く、核クロマチンは繊細で均一です。顆粒に関しては、一次顆粒(アズール顆粒)は認められますが、二次顆粒はまだ出現していません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。骨髄芽球は活発に増殖・分化する未熟な細胞であり、タンパク質合成が盛んなため、リボソームRNA合成の場である明瞭な核小体を複数個持つことが特徴です。
- 2. 骨髄芽球は未熟な細胞であり、核が細胞質の大部分を占めるため、核細胞質比(N/C比)は『高い』のが特徴です。正しくは:N/C比が高い。選びやすい理由:成熟した血液細胞、例えば成熟好中球などではN/C比が低くなるため、そのイメージと混同しやすいかもしれません。混同注意:成熟顆粒球やリンパ球などのN/C比が低い細胞。
- 3. 骨髄芽球は顆粒球系細胞の最も未熟な段階であり、一次顆粒(アズール顆粒)は認められますが、特定の機能を持つ二次顆粒はまだ出現していません。二次顆粒は骨髄球の段階から現れ始めます。正しくは:一次顆粒(アズール顆粒)は認められるが、二次顆粒は認められない。選びやすい理由:顆粒球系細胞なので何らかの顆粒を持つという連想から、二次顆粒も持つと誤解しやすい可能性があります。混同注意:骨髄球や後骨髄球など、顆粒球成熟過程のより進んだ細胞の形態。
- 4. 正解。骨髄芽球の細胞質には、活発なタンパク質合成を反映してリボソームや粗面小胞体が多く存在します。これらのRNAを豊富に含む構造は塩基性色素(ギムザ染色など)によく染まるため、強い好塩基性を示します。
- 5. 骨髄芽球のような未熟な細胞では、DNAの転写が活発に行われているため、核のクロマチンは凝集度が低く、『繊細で均一な』網状構造を示します。粗剛なクロマチン構造は、より成熟した細胞の特徴です。正しくは:核のクロマチン構造は繊細で均一である。選びやすい理由:細胞の形態学的特徴として「粗い」という表現は一般的ですが、未熟細胞の核クロマチンには当てはまりません。成熟細胞のクロマチンをイメージしてしまう可能性があります。混同注意:成熟リンパ球や形質細胞、あるいは成熟顆粒球などの核クロマチン構造。
国試ポイント
この問題は、造血細胞の形態学的特徴、特に未熟な造血細胞である骨髄芽球を正しく認識するための基本的な知識を問うものです。急性白血病の診断において芽球の同定は極めて重要であり、核小体の有無、N/C比、細胞質の好塩基性、クロマチン構造、顆粒の種類といった鑑別点が国試で頻繁に問われます。他の造血細胞(前骨髄球、単芽球、リンパ芽球など)との比較も学習のポイントです。
混同注意
骨髄芽球は、形態が類似する他の芽球(単芽球、リンパ芽球)や、成熟度が一つ進んだ前骨髄球と混同されやすいです。特に単芽球とは鑑別が難しいことがありますが、核の不整や細胞質のくすんだ色調が単芽球の特徴です。前骨髄球とは、骨髄芽球よりもやや大型で、アズール顆粒がより豊富に認められ、N/C比が若干低下する点で区別されます。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、まず『問題文がどの細胞を指しているのか(特に未熟細胞か成熟細胞か)』を正確に把握します。次に、選択肢が『核の特徴』と『細胞質の特徴』のどちらに言及しているのかを区別し、それぞれの特徴がその細胞の成熟度と機能に合致するかを判断します。特にN/C比、核小体の有無、クロマチン構造の繊細さ、細胞質の好塩基性、顆粒の有無とその種類(一次/二次)は、頻出の鑑別点として確実に確認するべきです。
関連知識
造血細胞の各成熟段階における形態変化(顆粒球系列、単球系列、赤芽球系列、リンパ球系列、巨核球系列など)、各細胞における核の形態(大きさ、形、N/C比、クロマチン構造、核小体の数と明瞭度)、細胞質の形態(量、色調、顆粒の種類と量)の変化を理解することが重要です。また、血液細胞の同定に用いられるメイ・ギムザ染色などの染色原理についても関連知識として押さえておく必要があります。