血尿をきたすのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ビルハルツ住血吸虫(Schistosoma haematobium)は、その成虫が主に膀胱の静脈叢に寄生することで知られています。この寄生により、膀胱壁に炎症が生じ、血尿が特徴的な症状として現れます。他の住血吸虫(日本住血吸虫、マンソン住血吸虫)は主に肝臓や腸管に寄生するため、血尿は通常引き起こしません。
選択肢ごとの解説
- 1. 広東住血線虫は主に好酸球性髄膜脳炎を引き起こし、血尿とは関連がありません。正しくは:広東住血線虫は主に好酸球性髄膜脳炎の原因となります。選びやすい理由:寄生虫感染症全般の知識として知っていても、具体的な症状の関連が曖昧な場合に選ぶ可能性があります。混同注意:他の髄膜炎や脳炎を引き起こす寄生虫と混同する可能性があります。
- 2. 東洋毛様線虫は、主に眼に寄生し、結膜炎や角膜炎を引き起こします。血尿とは関連がありません。正しくは:東洋毛様線虫は、主に眼の疾患を引き起こします。選びやすい理由:比較的珍しい寄生虫名であるため、知識の穴を突かれた際に選択肢として検討するかもしれません。混同注意:眼寄生虫症の他の原因や、一般的な線虫類と混同する可能性があります。
- 3. 日本住血吸虫は主に肝臓や腸管に寄生し、肝硬変や門脈圧亢進症、腹水などを引き起こしますが、血尿は特徴的な症状ではありません。便中の虫卵検出が診断の鍵となります。正しくは:日本住血吸虫は主に肝臓や腸管に寄生し、肝硬変などを引き起こします。選びやすい理由:住血吸虫症の一つであるため、他の住血吸虫と混同し、血尿を引き起こすと誤解する可能性があります。特に、日本での発生が歴史的に知られているため、一般的な知識として選択しやすいかもしれません。混同注意:他の住血吸虫、特にビルハルツ住血吸虫と症状(血尿)を混同する可能性があります。
- 4. マンソン住血吸虫は主に大腸に寄生し、下痢や腹痛、肝脾腫などを引き起こしますが、血尿は特徴的な症状ではありません。正しくは:マンソン住血吸虫は主に大腸に寄生し、下痢などを引き起こします。選びやすい理由:住血吸虫症の一つであるため、他の住血吸虫と混同し、血尿を引き起こすと誤解する可能性があります。混同注意:他の住血吸虫、特にビルハルツ住血吸虫と症状(血尿)を混同する可能性があります。
- 5. 正解。ビルハルツ住血吸虫(Schistosoma haematobium)は、成虫が膀胱の静脈叢に寄生し、虫卵が膀胱壁に沈着することで炎症や出血を引き起こします。これが原因で血尿(特に終末期血尿)が特徴的な症状として現れます。長期にわたる感染は膀胱癌のリスクを高めます。正しくは:ビルハルツ住血吸虫は膀胱の静脈に寄生し、血尿を引き起こします。選びやすい理由:選択肢にある他の住血吸虫と区別できるかどうかが問われます。混同注意:日本住血吸虫やマンソン住血吸虫と混同しやすいですが、寄生部位と主要な症状が異なります。
国試ポイント
本問題は、特定の寄生虫が引き起こす特徴的な症状を正確に理解しているかを問うものです。特に、住血吸虫症の種類とそれぞれの主要な寄生部位および臨床症状(特に血尿の有無)の関連が重要となります。異なる寄生虫種による症状の鑑別知識が求められます。
混同注意
住血吸虫には、日本住血吸虫、マンソン住血吸虫、ビルハルツ住血吸虫の主要3種があります。これらはすべて住血吸虫ですが、寄生部位とそれに伴う主な臨床症状が異なります。特に、血尿はビルハルツ住血吸虫の非常に特徴的な症状であり、他の2種と混同しないことが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各寄生虫の主要な寄生部位と、それによって引き起こされる特徴的な症状(例:肝臓/腸管病変、膀胱病変、脳病変、眼病変など)を正確に識別できるかが問われるでしょう。特に、住血吸虫の各種類による症状の違いを再確認する必要があります。
関連知識
住血吸虫症の診断には、尿や便中の虫卵検出、あるいは血清学的検査が用いられます。また、慢性感染は膀胱癌や肝脾腫などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。各寄生虫の地理的分布も関連知識として重要ですし、中間宿主(淡水巻貝)についても理解しておくべきです。