ミトコンドリアが存在しないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
成熟赤血球は、酸素運搬という主要な機能に特化するため、分化の過程で核やミトコンドリア、その他の細胞小器官を失います。これにより、細胞内のスペースをヘモグロビンで最大限に埋め、酸素運搬効率を高めています。エネルギーは主に解糖系によって産生されます。一方、好中球、形質細胞、リンパ球、マクロファージはいずれも活発な細胞機能を営むため、エネルギー源としてミトコンドリアを保有しています。特に形質細胞やマクロファージはエネルギー需要が高く、ミトコンドリアが豊富です。
選択肢ごとの解説
- 1. 好中球は、食作用や貪食といった活発な細胞機能のためにエネルギーを必要とし、その産生のためにミトコンドリアを保有しています。正しくは:好中球はミトコンドリアを持ち、ATPを産生します。選びやすい理由:白血球の一種であり、赤血球と混同して細胞小器官が少ないと誤解する可能性があります。混同注意:赤血球のように成熟過程で核やミトコンドリアが失われる細胞と混同しやすい。
- 2. 正解。成熟した赤血球は、酸素運搬に特化するため、核やミトコンドリアを含むほとんどの細胞小器官を失っています。エネルギーは主に解糖系で産生されます。
- 3. 形質細胞は、抗体を活発に合成・分泌する細胞であり、そのためのエネルギー供給源としてミトコンドリアを豊富に含んでいます。正しくは:形質細胞は、活発な抗体産生のためミトコンドリアを豊富に持ちます。選びやすい理由:Bリンパ球が分化した細胞であり、リンパ球との関連で代謝が低いと誤解するかもしれません。混同注意:未熟な細胞や休止期の細胞と混同しやすい。
- 4. リンパ球も他の真核細胞と同様にミトコンドリアを持っています。特に活性化時にはエネルギー需要が高まります。正しくは:リンパ球は、細胞の活動に必要なエネルギーを供給するためミトコンドリアを保有します。選びやすい理由:非活性化状態のリンパ球は比較的代謝が低いと思われがちですが、ミトコンドリアは存在します。混同注意:赤血球のように細胞小器官を欠く細胞と混同しやすい。
- 5. マクロファージは、食作用や抗原提示など非常に活発な機能を持つため、大量のATPが必要であり、ミトコンドリアを豊富に保有しています。正しくは:マクロファージは、食作用や抗原提示といった活動のためにミトコンドリアを豊富に持ちます。選びやすい理由:白血球の一種であり、赤血球と混同して細胞小器官が少ないと誤解する可能性があります。混同注意:赤血球のように特定の機能に特化して細胞小器官を失う細胞と混同しやすい。
国試ポイント
血液細胞の形態学的特徴と機能的特徴の関連性を問う問題です。特に、成熟赤血球が細胞小器官を欠くという特徴が重要です。各血液細胞の基本的な構造と、その構造が果たす機能との関係を理解しているかが問われます。
混同注意
白血球と赤血球の細胞小器官の有無。特に、成熟過程で核だけでなくミトコンドリアも失う細胞が赤血球であることを他の血液細胞と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
主要な血液細胞(赤血球、白血球各種、血小板)について、それぞれの細胞の成熟段階における核の有無、細胞小器官(ミトコンドリア、ゴルジ体、粗面小胞体など)の発達度合い、およびそれらが細胞の機能(酸素運搬、免疫応答、止血など)にどのように関連しているかを総合的に判断できるようになること。
関連知識
細胞の分化と形態変化、各血液細胞の主な機能、ATP産生経路(有酸素呼吸と解糖系)、細胞小器官の役割。成熟赤血球の特殊な代謝(解糖系のみ)。