真菌と特徴の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
Coccidioides immitisは、25℃以下の環境では菌糸として、37℃の生体内ではスフェルール(酵母様)として存在する代表的な二形性真菌です。この特性は感染症の診断や治療において重要となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Coccidioides immitisは、環境中では菌糸状で存在し、生体内では酵母様細胞(スフェルール)として増殖する典型的な二形性真菌です。この特性により、感染部位での形態が変化します。
- 2. Cryptococcus neoformansは、出芽によって増殖する酵母様真菌(酵母型真菌)です。糸状菌ではありません。正しくは:Cryptococcus neoformans:酵母様真菌選びやすい理由:真菌の種類が多岐にわたるため、特徴を混同しやすいです。混同注意:糸状菌は通常、カビのように見える形態をとりますが、クリプトコッカスは単細胞の球状で増殖します。
- 3. Fonsecaea pedrosoiは、クロモブラストミコーシス(色素性真菌症)の原因となる黒色真菌の一種です。皮膚糸状菌ではありません。正しくは:Fonsecaea pedrosoi:黒色真菌(色素性真菌症の原因菌)選びやすい理由:皮膚に感染する真菌であるため、皮膚糸状菌と誤解されがちですが、分類学的には異なります。混同注意:皮膚糸状菌は、白癬菌など皮膚の角質層を分解して増殖する真菌を指します。Fonsecaea pedrosoiは、外傷などから侵入し、組織内で特殊な形態(硬貨状細胞)を形成します。
- 4. Microsporum canisは、皮膚糸状菌(白癬菌)の一種であり、黒色真菌ではありません。主に皮膚や毛髪に感染し、犬や猫から人に感染することが多いです。正しくは:Microsporum canis:皮膚糸状菌選びやすい理由:多くの真菌の種類があるため、それぞれの特徴や分類を正確に覚えるのが難しいです。混同注意:黒色真菌はメラニン色素を持つ真菌で、クロモブラストミコーシスやフェオハイフォミコーシスなどの原因となります。Microsporum canisはこれらとは異なる分類です。
- 5. Sporothrix schenckiiは、環境中では菌糸状、生体内では酵母型になる二形性真菌です。単なる酵母様真菌(酵母型真菌)ではありません。正しくは:Sporothrix schenckii:二形性真菌選びやすい理由:生体内での形態が酵母型であるため、酵母様真菌と誤解しやすいですが、環境中では形態が異なります。混同注意:酵母様真菌は常に酵母型で増殖する真菌を指しますが、Sporothrix schenckiiは環境温度によって形態を変化させます。
国試ポイント
二形性真菌、酵母様真菌、糸状菌、黒色真菌、皮膚糸状菌といった真菌の主要な分類とその代表的な菌種を正確に理解しているかを問う問題です。各真菌の形態学的特徴や病原性との関連性を把握しておく必要があります。
混同注意
真菌の形態(酵母型、糸状型)、分類(二形性真菌、皮膚糸状菌、黒色真菌など)、およびその代表的な菌種が混同されやすいポイントです。特に、環境中と生体内での形態が変化する『二形性真菌』の概念は重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合は、各真菌が生体内でどのような形態を取るか、また環境中ではどうか、という『二形性』の有無と、その真菌が属する『分類群』を正確に確認して選択肢を判断しましょう。
関連知識
・二形性真菌の例(Blastomyces dermatitidis, Histoplasma capsulatum, Paracoccidioides brasiliensis など)とその特徴。・主要な酵母様真菌(Candida属、Cryptococcus属など)とその病原性。・主要な皮膚糸状菌(Trichophyton属、Microsporum属、Epidermophyton属)とその感染症。・黒色真菌とその関連疾患(クロモブラストミコーシス、フェオハイフォミコーシス)。