固定について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ブアン固定液はピクリン酸、ホルマリン、酢酸から構成され、特に内分泌細胞の顆粒の保存に優れており、その組織像を良好に保持するため、内分泌系の組織観察に適しています。
選択肢ごとの解説
- 1. アルコール系の固定液は、組織を脱水しタンパク質を凝固させる過程で、比較的強い収縮を引き起こす傾向があります。正しくは:アルコール系の固定液は、組織の収縮を引き起こしやすいです。選びやすい理由:アルコールは汎用されるため、特定の状況下では収縮が問題となりにくいという誤解から選ばれる可能性があります。混同注意:他の固定液(例えば緩衝ホルマリンなど)が比較的収縮が少ないという特性と混同することがあります。
- 2. アルデヒド系の固定液(ホルマリン、グルタールアルデヒドなど)は、タンパク質のアミノ基と架橋結合を形成することで組織を固定します。これはタンパク質の凝固とは異なる機序です。正しくは:アルデヒド系の固定液は、タンパク質を架橋結合させて組織を固定します。選びやすい理由:固定の最終的な結果として組織が固まるため、凝固という表現が選択肢として魅力的に見える可能性があります。混同注意:アルコールや重金属塩のような凝固固定液の作用機序と混同しやすいです。
- 3. オスミウム酸は金属を腐食させる性質があるため、金属製の容器に入れて保存することは避けるべきです。通常はガラス製容器で保存されます。正しくは:オスミウム酸固定液は、ガラス製などの非金属製の容器に入れて保存することが推奨されます。選びやすい理由:固定液の保存に関する知識が不足している場合、一般的な化学薬品の保存方法と混同して選ばれる可能性があります。混同注意:一般的な化学試薬の保存容器の知識とオスミウム酸の特定の反応性との区別ができていない場合、誤って選択しやすいです。
- 4. 正解。ブアン固定液は、特に内分泌細胞の顆粒を良好に保存し、組織の収縮も比較的少ないため、内分泌組織の組織像保持に優れています。選びやすい理由:特定の細胞や組織に特化した固定液の知識が問われている点で、専門的な知識があることを示す選択肢として魅力的です。混同注意:他の特殊な固定液(例:ヘリー液など)との用途の違いが不明瞭な場合、混同される可能性があります。
- 5. グルタールアルデヒドは固定液の組織への浸透が比較的遅いため、均一な固定を保証するためには、組織片は一辺を1〜2mm程度の非常に小さなサイコロ状に切断することが推奨されます。10mmでは大きすぎます。正しくは:グルタールアルデヒドを用いて固定する場合、組織片は一辺を1〜2mm程度の大きさに切断します。選びやすい理由:組織の切断サイズに関する一般的な知識が不足している場合、適当なサイズとして選んでしまう可能性があります。混同注意:ホルマリン固定の際の比較的大きな組織片の許容サイズと混同することがあります。特に電子顕微鏡用固定ではサイズが重要です。
国試ポイント
組織固定液の種類とその特徴、特に適用される組織や目的を理解することが重要です。
混同注意
各固定液の組成、作用機序(凝固固定か架橋固定か)、および得意とする組織像の保持能力を混同しないよう注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
固定液の種類とそれが得意とする組織(特に内分泌細胞や脂肪など)の組み合わせ、および適切な組織片のサイズや保存方法について確認します。
関連知識
ホルマリン固定は一般的な固定法であり、タンパク質の架橋固定を主とします。アルコール固定は脱水・凝固作用があります。オスミウム酸は脂肪を固定し電子顕微鏡観察に有用です。グルタールアルデヒドはホルマリンと同様に架橋固定ですが、より迅速かつ強力に作用します。