薄切について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ミクロトームは、その構造と切削方式により回転式と滑走式に大きく分類されます。回転式は主にパラフィン包埋組織の連続薄切に用いられ、滑走式は脳などの大きな組織や硬い組織の薄切に用いられます。これらの分類は基本的な知識として重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ミクロトームは、その駆動方式や刃の動きによって回転式、滑走式、ミシン式、凍結ミクロトームなどに分類されます。回転式と滑走式は特に代表的な種類です。
- 2. ミクロトーム刃の先端の角度は「刃角」と呼ばれ、逃げ角は刃の表面とブロックの切断面がなす角度を指します。正しくは:ミクロトーム刃の刃先と組織ブロックの切削面がなす角度は「逃げ角」と呼ばれます。選びやすい理由:「逃げ角」という用語自体は薄切に関連するため、正しいように見えるかもしれません。混同注意:刃角(ナイフの先端の角度)と逃げ角(ナイフの表面とブロックの関係角)
- 3. 引き角は、薄切の抵抗を減らし、切片の歪みを軽減するために適切に設定されます。引き角が大きすぎると、薄切りが困難になったり、チャター(振動による波状の筋)が生じやすくなりますが、一般的に歪みを直接的に強くするわけではありません。正しくは:引き角は適切に設定されることで、薄切切片のゆがみを軽減します。大きすぎると切片の歪みとは異なる問題(チャターなど)が生じやすくなります。選びやすい理由:薄切の角度が切片の品質に影響を与えるという認識から、負の連鎖を想像しやすい。混同注意:引き角(ナイフの進行方向に対する傾斜角)と逃げ角、あるいはチャターなどの他のアーチファクト発生機序
- 4. 薄切速度が遅すぎると、切片の圧縮やしわが生じやすくなりますが、チャターは通常、薄切速度が速すぎる場合や、刃が劣化している場合、またはブロックが硬すぎる場合に、刃の振動によって発生します。正しくは:薄切速度が速すぎると薄切切片にチャターが生じる場合があります。選びやすい理由:薄切の失敗がアーチファクトにつながるという点で、関連があるように思える。混同注意:薄切速度が遅いことによるアーチファクト(圧縮、しわ)と、速いことによるアーチファクト(チャター)
- 5. 薄切後の切片は、伸展後に通常37~60℃程度の乾燥器や恒温槽で乾燥させます。室温(20℃前後)では乾燥に時間がかかりすぎ、組織の変性や剥離のリスクを高める可能性があります。正しくは:薄切切片の乾燥は、37~60℃前後の温度で行うのが一般的です。選びやすい理由:室温での乾燥は一般的によく行われるため、誤りとは考えにくいかもしれない。混同注意:室温での一般的な乾燥と、病理組織標本作製における適切な乾燥温度
国試ポイント
病理組織標本作製におけるミクロトームの基本分類、薄切の物理的原理(角度、速度)、および切片乾燥の適切な条件について問われています。各工程で使用される用語の正確な定義と、操作が切片品質に与える影響を理解しているかが試されています。
混同注意
薄切に関連する様々な角度(刃角、逃げ角、引き角)の定義、薄切速度が速い場合と遅い場合に生じるアーチファクトの種類、および薄切後の切片処理(伸展、乾燥)の適切な温度。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、ミクロトームの種類別の用途、薄切角度(逃げ角、引き角)の最適な設定範囲とその理由、薄切速度とチャター発生の関係性、切片乾燥の温度と時間の影響、凍結切片作製(クリオスタット)に関する知識について確認するとよいでしょう。
関連知識
病理組織標本作製の全工程(固定、脱水、透徹、包埋、薄切、染色、封入)、ミクロトームの種類と特徴、薄切におけるアーチファクトの種類と原因、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色。