病理組織標本で粘液の染色法はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
アルシアンブルー染色は、酸性粘液多糖類を特異的に青色に染色する組織化学的染色法です。胃腸管、気道、唾液腺などの粘液産生細胞や病的な粘液貯留の評価に広く利用されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アルシアンブルー染色は、酸性粘液多糖類を特異的に青色に染め出すため、粘液の検出に用いられる代表的な染色法です。
- 2. エラスチカ・ワン・ギーソン染色は、主に弾性線維を黒色または青黒色に、膠原線維を赤色に染め分け、結合組織の線維成分を評価するための染色法です。正しくは:弾性線維や膠原線維の染色に使用されます。選びやすい理由:様々な組織成分を染め分ける染色法の一つですが、粘液とは対象が異なります。混同注意:他の特殊染色法と混同しがちです。
- 3. ギムザ染色は、血液細胞や骨髄細胞の形態観察、ヘリコバクター・ピロリなどの細菌や寄生虫の検出、マスト細胞の顆粒染色などに用いられますが、粘液の特異的な染色には使用されません。正しくは:血液細胞や細菌、マスト細胞の染色に用いられます。選びやすい理由:幅広い分野で使用される一般的な染色法なので、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:H.Pyloriやマスト細胞の染色法と混同しやすいです。
- 4. マッソントリクローム染色は、膠原線維(青色)、筋線維(赤色)、細胞核(黒色)を染め分けることで、主に線維化や筋組織の変化を評価する目的で使用されます。正しくは:膠原線維、筋線維、細胞核の染色に用いられます。選びやすい理由:結合組織の染色法としてよく知られているため、間違えやすい可能性があります。混同注意:他の結合組織染色法(例:HE染色など)と混同しやすいです。
- 5. PAM染色は、主に腎臓病理などで基底膜を黒色に染め出し、糸球体の変化や膜性成分の異常を評価するために用いられます。粘液とは異なる対象を染めます。正しくは:基底膜や糸球体の評価に用いられます。選びやすい理由:「銀染色」というキーワードから、特殊な成分を染めるイメージがあるため、間違えやすいかもしれません。混同注意:PAS染色(過ヨウ素酸シッフ染色)と名前が似ていますが、染め出す対象や目的が異なります。PAS染色は一部粘液多糖類も染めますが、PAMは基底膜が主なターゲットです。
国試ポイント
病理組織学における主要な特殊染色の目的と染色対象を正確に理解しているか、特に粘液、結合組織、弾性線維などの主要な細胞外マトリックス成分を染め分ける染色法を区別できるかが問われています。
混同注意
粘液の染色法としては、アルシアンブルー染色以外にPAS染色(中性粘液多糖やグリコーゲンも染色)も重要であり、両者の違いや適用を理解しておく必要があります。また、結合組織染色(マッソントリクローム、ワン・ギーソンなど)や微生物染色(ギムザ)と混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の特殊染色(例:PAS染色、ベルリン青染色、コンゴーレッド染色など)の目的と染色対象、特にそれらが特定の病態(例:アミロイドーシス、鉄過剰症、真菌感染)とどのように関連するかを問う問題に注意する。
関連知識
アルシアンブルー染色はpHによって染色される酸性粘液のタイプが異なり(例:pH2.5で酸性ムコ多糖全般、pH1.0で強酸性ムコ多糖)、病態の鑑別に応用されます。PAS染色は中性粘液多糖やグリコーゲン、基底膜などを赤紫色に染めるため、アルシアンブルー染色と組み合わせて粘液の性質を詳細に分析することもあります。