血流依存性血管拡張反応〈FMD〉の測定で誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
血流依存性血管拡張反応(FMD)の測定において、駆血は一時的に血流を完全に遮断することを目的とします。そのため、駆血圧は収縮期血圧では不十分であり、動脈血流が完全に停止するよう、収縮期血圧より約50mmHg高いか、または200mmHg以上に設定する必要があります。
選択肢ごとの解説
- 1. FMD測定時の血圧は、血流を妨げないよう、測定する腕の対側(反対側)で測定するのが正しい手順である。選びやすい理由:FMD測定は、血管反応性を評価するための検査であるため、血圧測定がどこで行われるか疑問に思うかもしれないが、測定腕への影響を避けるために対側が選択される。混同注意:特に混乱する点はないが、血圧測定がなぜ必要なのかという疑問から誤答につながる可能性はある。
- 2. FMD測定では、駆血前(安静時)の血管径を基準値として測定する。これは駆血解除後の血管拡張度と比較するために不可欠なステップである。選びやすい理由:安静時の測定は当たり前のように思えるかもしれないが、FMDの計算には必須の初期データであるため、重要なステップである。混同注意:駆血後の拡張径ばかりに意識が向き、安静時径の測定の重要性を見落とす可能性がある。
- 3. FMD測定の原理は、駆血による血流停止とその解除後の反応性充血を利用して血管内皮機能を評価するため、駆血は必須の手順である。前腕または上腕に駆血帯を巻いて行う。選びやすい理由:駆血の方法が正確かどうかに気を取られがちだが、駆血自体は必要なステップである。混同注意:駆血部位(前腕または上腕)を誤解する可能性はあるが、駆血自体が間違いと考えることは少ない。
- 4. 正解。FMD測定における駆血圧は、動脈血流を完全に遮断する必要があるため、収縮期血圧よりも高い値(通常は50mmHg程度高い、または200mmHg以上に設定)にするのが正しい。収縮期血圧では不十分で、血流が完全に停止しない可能性がある。正しくは:駆血圧は、収縮期血圧より約50mmHg高く設定するか、または200mmHg以上に設定して動脈血流を完全に遮断する。選びやすい理由:血圧測定で最も高値を示すのが収縮期血圧であるため、これで血流が遮断できると思いやすい。混同注意:血圧測定の知識と混同し、収縮期血圧が最も高い値であるため、これで十分だと誤解しやすい。血流を「完全に遮断する」という目的を考慮すると、収縮期血圧では不十分であることが理解できる。
- 5. 駆血解除後の血流再開により血管内皮から一酸化窒素などが放出され、血管が拡張する。この最大拡張時の血管径を測定し、安静時径と比較することでFMD値を算出する。これはFMD測定の核心となるステップである。選びやすい理由:最大拡張時という表現が曖昧に感じられるかもしれないが、実際に最大拡張を捉えることが重要であるため、間違いではない。混同注意:拡張反応が一定時間続くため、どのタイミングで測定すべきか迷うかもしれないが、最大拡張時を捉えることが目的である。
国試ポイント
FMD測定の基本的な手順と、特に駆血圧の設定に関する正確な知識が問われています。駆血の目的が血流の完全な遮断であることを理解しているかが重要です。
混同注意
血圧測定における収縮期血圧の定義と、血流を完全に遮断するための駆血圧の必要条件とを混同しやすい。単に「高い血圧」というイメージで収縮期血圧を選んでしまう可能性がある。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、FMDの駆血時間や測定部位、FMD値の算出方法(%FMD = (最大拡張径 - 安静時径) / 安静時径 × 100)など、測定プロトコルの詳細についても確認する。
関連知識
FMDは血管内皮機能の評価指標であり、動脈硬化の早期診断や治療効果判定に用いられます。駆血後の血管内皮からのNO産生による血管拡張反応をみる検査です。駆血時間(通常5分)や測定部位(上腕動脈)も重要です。