左室流入血流速波形のE/Aを計測するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
左室流入血流速波形のE波とA波は、心室拡張期の初期急速流入と心房収縮による血流速度をそれぞれ反映しており、これらの流速の時系列変化を正確に捉えるには、特定の深さからの血流速度を弁別できるパルスドプラ法が必須となる。ゲートを設定し、その位置の血流速度のみを記録することでE/A比の正確な計測が可能となるためである。
選択肢ごとの解説
- 1. Bモード法は、組織の反射を利用して臓器の形態や動きをリアルタイムで二次元画像として表示する方法であり、血流速度の計測には適さない。正しくは:Bモード法は心臓の形態や壁運動、弁の動きなどの評価に用いられる。選びやすい理由:心エコー検査の基本的なモードであるため。混同注意:Mモード法やドプラ法による血流評価。
- 2. Mモード法は、特定のライン上の構造物の時間的な動きを一次元グラフとして表示する方法であり、血流速度そのものを直接計測するものではない。正しくは:Mモード法は心室壁厚、駆出率などの経時的変化の評価に用いられる。選びやすい理由:心エコー検査で心臓の動きを評価する際に用いられるモードであるため。混同注意:Bモード法やドプラ法。
- 3. カラードプラ法は、血流の方向と速度を色で表示し、血流の存在や異常流(逆流や狭窄流など)の有無を視覚的に評価するのに優れているが、特定の部位の血流速度波形を数値として正確に計測する目的には適さない。正しくは:カラードプラ法は弁逆流や短絡血流の有無、方向、広がりなどの評価に用いられる。選びやすい理由:血流を評価するドプラ法の一つであるため。混同注意:パルスドプラ法や連続波ドプラ法。
- 4. 正解。パルスドプラ法は、超音波の送受信を交互に行い、特定の深さ(サンプリングゲート)からの反射波のみを検出することで、その部位の血流速度波形(E波、A波など)を正確に計測できるため、左室流入血流速波形のE/A計測に最も適している。選びやすい理由:ドプラ法の一種であるため。混同注意:連続波ドプラ法。
- 5. 連続波ドプラ法は、超音波を連続的に送受信し、指定したライン上の全ての血流速度を検出するため、最高速度を検出するのに優れているが、特定の深さからの血流速度を弁別できず、E波とA波を分離して計測することが困難である。正しくは:連続波ドプラ法は、大動脈弁狭窄症や肺動脈弁狭窄症など、高速血流の最大流速や圧較差の計測に用いられる。選びやすい理由:血流を評価するドプラ法の一つであり、速度計測に用いられるため。混同注意:パルスドプラ法。
国試ポイント
心エコー図検査における各ドプラ法の原理と臨床的応用を理解する。特に、特定の部位の血流速度波形を計測する際にはパルスドプラ法を用いることを覚える。
混同注意
連続波ドプラ法とパルスドプラ法は共に血流速度を計測するが、連続波ドプラ法は指定したライン上の全ての血流速度を平均して検出するため、特定の深さの血流速波形を弁別できない点で異なる。
次に同じ論点が出たら
血流速度の時系列変化や特定の部位の血流速度波形を評価する必要がある場合は、パルスドプラ法を選択する。
関連知識
E/A比は左室拡張機能評価の重要な指標であり、E波は左室拡張初期の受動的充満、A波は心房収縮による能動的充満を示す。拡張機能障害ではE波の低下とA波の増大がみられ、E/A比が低下する。