超音波の伝搬速度が最も速いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
超音波の伝搬速度は、媒体の密度と剛性に強く依存します。密度が高く、剛性が大きいほど伝搬速度は速くなります。骨組織は、水や軟部組織、空気に比べて圧倒的に密度が高く硬いため、超音波の伝搬速度が最も速くなります。具体的には、空気中では約330 m/s、水や軟部組織(肝臓、脂肪など)では約1,450~1,580 m/sであるのに対し、骨組織では約3,000~4,000 m/sと、非常に速い速度で伝わります。
選択肢ごとの解説
- 1. 超音波は液体中を伝わりますが、骨と比較すると伝搬速度は遅いです。正しくは:超音波の伝搬速度は、骨 > 軟部組織 > 水 > 空気 の順に速くなります。選びやすい理由:超音波検査でよく使われる媒体であるため、関連が深いと誤解されやすいかもしれません。混同注意:生体内の組織との速度の違いを理解していないと、液体である水が生体と似た環境と考え誤って選んでしまう可能性があります。
- 2. 肝臓は軟部組織であり、骨と比較すると超音波の伝搬速度は遅いです。正しくは:肝臓のような軟部組織における超音波の伝搬速度は約1,540 m/sです。選びやすい理由:超音波検査で頻繁に観察される臓器であるため、速度が速いと誤解されることがあります。混同注意:軟部組織における超音波速度は比較的均一ですが、特に速度が速いわけではないことを混同しやすいです。
- 3. 空気は密度が非常に低いため、超音波の伝搬速度は最も遅いです。正しくは:空気中での超音波伝搬速度は約330 m/sと非常に遅いです。選びやすい理由:日常的に音波が伝わる媒体なので、超音波も速いと誤解されやすいですが、物理的な特性が異なります。混同注意:音波と超音波の伝搬特性が同じであると誤解したり、密度と速度の関係を正確に理解していないと間違えやすいです。
- 4. 脂肪は軟部組織の一種であり、骨と比較すると超音波の伝搬速度は遅いです。肝臓と比べてもわずかに遅い傾向があります。正しくは:脂肪における超音波の伝搬速度は約1,450 m/sと、軟部組織の中でもやや遅い方です。選びやすい理由:生体内の主要な構成要素であるため、速度が速いと誤解される可能性があります。混同注意:他の軟部組織(肝臓など)との速度のわずかな違いや、骨との大きな速度差を区別できていないと間違えやすいです。
- 5. 正解。超音波は密度が高く硬い媒体ほど伝搬速度が速くなります。頭蓋骨のような骨組織は他の選択肢(水、軟部組織、空気)に比べて密度が非常に高く、剛性も大きいため、超音波の伝搬速度が最も速いです。
国試ポイント
超音波の物理的特性、特に媒体による伝搬速度の違いを理解しているかが問われる問題です。生体内の主要な組織(空気、水、軟部組織、骨)における超音波速度の相対的な大小関係を把握している必要があります。
混同注意
生体組織間のわずかな速度差(例:脂肪と筋肉)と、空気や骨のような大きく異なる媒体との速度差を混同しやすいです。また、減衰率と伝搬速度は異なる概念であることも注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、主要な生体組織(空気、水、脂肪、筋肉、骨)における超音波の伝搬速度の順序を正確に思い出せるかを確認します。また、超音波の減衰との関連性についても問われる可能性があるので、減衰率の順序(骨 > 軟部組織 > 水 > 空気)も合わせて確認します。
関連知識
超音波の伝搬速度(c)は、媒体の体積弾性率(K)と密度(ρ)を用いて c = √(K/ρ) で表されます。体積弾性率が大きいほど、また密度が大きいほど速度は速くなります。骨は軟部組織に比べて圧倒的に体積弾性率が大きいです。