業務上疾病の原因で最も多いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
日本の労働災害統計において、「業務上疾病」とは、業務に起因する疾病全般を指します。これには、急性的な負傷(外傷)による疾病も含まれます。厚生労働省の統計によると、業務上疾病の原因として最も報告件数が多いのは「負傷」であり、具体的には転倒、墜落、挟まれ、巻き込まれ、激突などが挙げられます。次いで、作業態様による疾病(腰痛など)や物理的因子(騒音性難聴など)が続きますが、負傷が圧倒的に多いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。労働災害における業務上疾病の原因として、外傷(負傷)は最も高い割合を占めます。これは、転倒、墜落、挟まれ、切れ傷など、様々な作業環境で発生しうる急性的な身体的損傷を含むためです。
- 2. 病原体による感染症は特定の業務(医療従事者、研究者など)でリスクが高いですが、全体として業務上疾病の最も主要な原因ではありません。正しくは:病原体は業務上疾病の原因の一つですが、最も多いわけではありません。医療・介護分野などで特に問題となります。選びやすい理由:医療現場や動物関連業務など、特定の職種では感染症が大きな問題となるため、誤って選びやすいかもしれません。混同注意:特定の職業病と、全体的な業務上疾病の原因の割合を混同しやすいです。
- 3. 化学物質への曝露は、皮膚炎、呼吸器疾患、中毒などを引き起こす重要な業務上疾病の原因ですが、外傷ほど全体での割合は高くありません。正しくは:化学物質は業務上疾病の原因の一つであり、特定の産業(化学工業、塗装業など)で重要ですが、全体で最も多い原因ではありません。選びやすい理由:メディアなどで化学物質による健康被害が大きく取り上げられることがあるため、その重要性から最も多い原因だと誤解しやすいです。混同注意:特定の職域でのリスクの高さと、全体的な統計を混同しやすいです。
- 4. 不適切な作業態様(例:長時間労働、反復作業、不自然な姿勢)は、腰痛、腱鞘炎、心臓病などの業務上疾病(特に職業性疾病)の原因となりますが、急性的な外傷全体と比較すると、その発生件数は最も多いとは言えません。正しくは:作業態様は、腰痛や腱鞘炎などの疾病を引き起こす重要な要因ですが、全体で見ると「外傷」が原因で発生する業務上疾病の方が件数が多いです。選びやすい理由:長時間労働や過重労働が社会問題となっているため、その影響から選択肢として魅力的に映るかもしれません。混同注意:慢性的な職業病の原因と、業務上疾病全体(特に急性的な災害も含む)の原因の割合を混同しやすいです。
- 5. 物理的因子(騒音、振動、放射線、高温・低温など)は、難聴、振動病、熱中症などの業務上疾病の原因となりますが、統計上、外傷が原因となる業務上疾病の件数が最も多いです。正しくは:物理的因子は業務上疾病の原因となり得ますが、外傷が原因となる業務上疾病の件数よりは少ないです。選びやすい理由:特定の職場(例:建設業での騒音・振動、原子力施設での放射線)では物理的因子が非常に重要であるため、これが最も多い原因だと錯覚しやすいです。混同注意:特定の分野でのリスクの高さと、業務上疾病全体の統計的な頻度を混同しやすいです。
国試ポイント
業務上疾病の主要な原因に関する統計知識を問う問題です。特に、業務上疾病の定義に急性的な負傷も含まれるという理解が重要です。漠然と「職業病」のイメージで慢性的な疾患のみを想像すると誤答しやすい構造です。
混同注意
一般的な「職業病」のイメージ(慢性的な疾病や特定の物質による疾患)と、労働災害統計における「業務上疾病」の定義(負傷を含む)を混同しやすいです。また、各原因の重要性(社会的な注目度や特定の産業でのリスク)と、統計的な発生件数の多さを混同しやすいでしょう。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず「業務上疾病」という用語が何を指すのか(急性的な災害も含むのかどうか)を確認し、日本の労働災害統計における最も件数の多い原因を思い出しましょう。特定の疾病の印象に囚われず、全体像を把握することが重要です。
関連知識
労働安全衛生法、労働者災害補償保険法(労災保険)における業務上疾病の定義。厚生労働省が毎年公表する労働災害統計。主な職業性疾病の種類とその原因(じん肺、振動障害、騒音性難聴、腰痛、化学物質中毒、感染症など)。