褐色萎縮で沈着するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
褐色萎縮は、加齢に伴う細胞の変性の一つで、特に心筋や肝細胞に多く見られます。この際、細胞内のリソソームで分解しきれなかった不溶性の脂質過酸化生成物が色素として蓄積します。これがリポフスチンであり、その褐色を呈するため褐色萎縮と呼ばれます。
選択肢ごとの解説
- 1. 脂肪は細胞内に蓄積することがありますが、褐色萎縮の際に認められる特徴的な色素ではありません。脂肪の蓄積は脂肪変性として知られます。正しくは:細胞や組織の褐色萎縮において蓄積が認められる色素はリポフスチンです。脂肪の蓄積は脂肪変性で見られます。選びやすい理由:細胞変性の一つとして脂肪変性を思い浮かべやすいため。混同注意:脂肪変性
- 2. メラニンは皮膚、毛髪、網膜などに存在する色素であり、チロシンから生成されますが、褐色萎縮において蓄積する色素ではありません。正しくは:細胞や組織の褐色萎縮において蓄積が認められる色素はリポフスチンです。メラニンは皮膚などの細胞で生成される色素です。選びやすい理由:褐色という色から、皮膚の色素であるメラニンを連想しやすいため。混同注意:メラニン色素沈着症
- 3. アミロイドは異常な線維状タンパク質で、臓器に沈着しアミロイドーシスを引き起こしますが、褐色萎縮の際に蓄積する色素ではありません。正しくは:細胞や組織の褐色萎縮において蓄積が認められる色素はリポフスチンです。アミロイドは異常タンパク質の線維状沈着物です。選びやすい理由:タンパク質の蓄積による疾患としてアミロイドーシスを想起しやすいため。混同注意:アミロイドーシス
- 4. グリコーゲンはブドウ糖の貯蔵形態であり、細胞質に顆粒状に存在しますが、褐色萎縮の際に認められる色素ではありません。正しくは:細胞や組織の褐色萎縮において蓄積が認められる色素はリポフスチンです。グリコーゲンはエネルギー貯蔵物質です。選びやすい理由:細胞内の主要な貯蔵物質としてグリコーゲンを思い浮かべやすいため。混同注意:グリコーゲン貯蔵病
- 5. 正解。リポフスチンは、細胞内の不溶性脂質過酸化生成物がリソソームで分解されずに蓄積したもので、特に加齢に伴う褐色萎縮の特徴的な色素です。選びやすい理由:褐色萎縮という疾患名に直接関連する色素であるため、知識があれば選択しやすい。
国試ポイント
褐色萎縮の病理学的特徴と、それに伴うリポフスチンの蓄積を理解することが重要です。
混同注意
リポフスチンは細胞の老化色素であり、メラニンやヘモジデリンといった他の色素とは異なる病態で蓄積します。メラニンは皮膚や毛髪の色素で、ヘモジデリンは鉄の蓄積によって生じます。
次に同じ論点が出たら
「褐色萎縮」「加齢」「消耗性色素」といったキーワードがあれば、リポフスチンの蓄積を判断の根拠とします。
関連知識
リポフスチンは「消耗性色素」や「老化色素」とも呼ばれ、リソソームでの分解が不完全な自己貪食産物です。心臓や肝臓だけでなく、神経細胞などにも認められます。