滲出液と比較して漏出液で高値を示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
漏出液は主に静水圧の変化によって生じる非炎症性の体液貯留であり、血管透過性の亢進を伴いません。そのため、血漿成分がほぼそのまま濾過されるため、グルコース濃度は血漿とほぼ同じになります。一方、滲出液は炎症に伴う血管透過性の亢進や細胞の遊走・増殖が特徴であり、炎症細胞や細菌などがグルコースを消費するため、血漿よりもグルコース濃度が低くなる傾向があります。したがって、漏出液の方が滲出液と比較してグルコースが高値を示すと言えます。
選択肢ごとの解説
- 1. LDは滲出液で高値を示します。炎症や細胞破壊により、細胞内酵素であるLDが滲出液中に漏出するためです。正しくは:LDは滲出液で高値を示す。選びやすい理由:体腔液の成分としてLDは重要な項目ですが、滲出液・漏出液の鑑別における高値の基準を混同しやすいです。混同注意:滲出液の診断基準(Lightの基準など)にLD比率が含まれるため、単に「LDが高い」と認識し、どちらで高値か混乱する可能性があります。
- 2. 総蛋白は滲出液で高値を示します。炎症により血管透過性が亢進し、蛋白が血管外に漏れ出すためです。正しくは:総蛋白は滲出液で高値を示す。選びやすい理由:体腔液の鑑別において蛋白濃度は非常に重要な指標ですが、漏出液の定義は「血管透過性の亢進を伴わない、血漿成分が血管内から押し出された液体」であるため、蛋白濃度は血漿より低値になります。混同注意:血清蛋白濃度が高い場合と混同したり、炎症があると体腔液の蛋白も高くなると漠然と理解していると誤りやすいです。
- 3. 比重は滲出液で高値を示します。滲出液は蛋白や細胞成分が多く含まれるため、漏出液に比べて比重が高くなります。正しくは:比重は滲出液で高値を示す。選びやすい理由:比重は体腔液の固形成分の濃度を反映するため、重要な指標ですが、滲出液の方が固形成分が多いことを理解していないと誤りやすいです。混同注意:比重と細胞数、蛋白濃度の関連性が不明確だと、どちらで高値か判断に迷う可能性があります。
- 4. 細胞数は滲出液で高値を示します。炎症や感染により、白血球などの細胞が貯留液中に遊走・増加するためです。正しくは:細胞数は滲出液で高値を示す。選びやすい理由:炎症反応が強い滲出液で細胞数が増加することは常識的ですが、漏出液では基本的に細胞増加が見られないため、比較対象として選択肢に挙げられています。混同注意:感染症による炎症性滲出液では細胞数が著増するが、漏出液ではほとんど増加しないという基本的な違いを混同しやすいです。
- 5. 正解。漏出液のグルコース濃度は血漿グルコース濃度に近く、滲出液よりも相対的に高値を示します。滲出液では、炎症細胞や微生物がグルコースを消費するため、血漿よりも低値となる傾向があるためです。
国試ポイント
滲出液と漏出液の鑑別における各検査項目の特徴を理解しているか問う問題です。特に、炎症の有無が各成分濃度にどう影響するかを正確に覚えていることが重要です。グルコースは他の項目とは逆の傾向を示すため、注意が必要です。
混同注意
各成分が血漿と比較して、またはお互いに比較して、どちらで高値または低値を示すのかを混同しやすい。特に、LD、蛋白、比重、細胞数は滲出液で高値であるのに対し、グルコースは漏出液で高値であるという逆の関係性を整理しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず「滲出液と漏出液のどちらが炎症性か」を判断し、その炎症が各成分の濃度にどう影響するかを考える。特にグルコースは炎症細胞による消費を念頭に置く。
関連知識
Lightの基準:胸水が滲出液か漏出液かを鑑別するための診断基準。胸水総蛋白/血清総蛋白比 > 0.5、胸水LDH/血清LDH比 > 0.6、胸水LDH > 血清LDH基準値上限の2/3のいずれかを満たせば滲出液と診断される。漏出液の原因疾患:心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群など。滲出液の原因疾患:感染症(肺炎、結核)、悪性腫瘍、膠原病など。