連続波ドプラ法を用いるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
連続波ドプラ法は、高流速の血流を正確に測定するのに優れています。選択肢1の三尖弁逆流の最高速度測定や、選択肢3の大動脈弁狭窄症における弁口部圧較差推定(高速ジェットの最大速度測定)は、連続波ドプラ法の主要な適用例です。これらは、弁膜症の重症度評価や血行動態の把握に不可欠な情報を提供します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。連続波ドプラ法は、高流速の血流を正確に測定するのに適しており、三尖弁逆流のような高速な逆流血流の最大速度を測定する際に用いられます。この最大速度から肺動脈圧を推定することができます。
- 2. 僧帽弁輪の動きの速さ(組織ドプラ法によるe'波など)は、比較的低速な心筋の動きを評価するものであり、パルスドプラ法や組織ドプラ法が適しています。連続波ドプラ法はこのような低速の動きの評価には通常用いられません。正しくは:僧帽弁輪の運動速度の評価には、組織ドプラ法やパルスドプラ法が用いられます。選びやすい理由:ドプラ法の一種であるため、心臓の動きに関連する評価に使えると錯覚する可能性があります。混同注意:組織ドプラ法やパルスドプラ法と連続波ドプラ法の使い分け、特に速度レンジの違いについて混同しやすいです。
- 3. 正解。大動脈弁狭窄症では、狭窄部を通過する血流が非常に高速になるため、連続波ドプラ法を用いてその最大速度を測定し、ベルヌーイの式(4V^2)を適用することで、弁口部前後の圧較差を正確に推定できます。
- 4. 左室流入血流速波形(E波、A波)は比較的低速であり、特定の深さの血流を評価する必要があるため、パルスドプラ法が用いられます。連続波ドプラ法では、計測したい深さ以外の血流も同時に検出してしまうため、正確な波形が得られません。正しくは:左室流入血流速波形による左室拡張能評価には、パルスドプラ法が用いられます。選びやすい理由:心エコー検査における重要な評価項目であるため、何らかのドプラ法を用いることは正しいと考えるかもしれませんが、連続波ドプラ法が適切ではないことを見落とす可能性があります。混同注意:パルスドプラ法と連続波ドプラ法の、特にレンジ分解能の有無による使い分けについて混同しやすいです。
- 5. 僧帽弁閉鎖不全症における逆流弁口吸い込み血流の検出(PISA法など)は、血流の方向や速度分布を視覚的に評価するために、カラードプラ法やパルスドプラ法が主に用いられます。連続波ドプラ法は高流速測定には向きますが、弁口吸い込み血流の広がりや位置を評価する目的には適していません。正しくは:僧帽弁閉鎖不全症の逆流弁口吸い込み血流の検出には、カラードプラ法やパルスドプラ法が用いられます。選びやすい理由:逆流という高速血流のイメージから連続波ドプラ法が適切だと誤解する可能性がありますが、この評価では『検出』や『分布』の把握が主眼であり、最大速度測定とは異なります。混同注意:カラードプラ法やパルスドプラ法の役割と、連続波ドプラ法が特に得意とする『最大速度測定』の区別について混同しやすいです。
国試ポイント
ドプラ法の種類(連続波、パルス、カラードプラなど)と、それぞれの特徴および臨床的適用例について理解しているかが問われています。特に、連続波ドプラ法が高流速測定に特化している点と、パルスドプラ法がレンジ分解能を持つ点、そしてそれぞれの代表的な使用例を正確に覚えている必要があります。
混同注意
パルスドプラ法との機能的な違い(レンジ分解能の有無、測定可能な速度範囲)を混同しやすいです。また、組織ドプラ法やカラードプラ法の役割と混同することもあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、まず各ドプラ法の『得意なこと』と『苦手なこと』を区別し、提示された症例や測定項目がどのドプラ法に最も適しているかを判断できるようになることが重要です。特に『高流速測定』と『特定の深さの低速血流測定』の区別がポイントになります。
関連知識
ドプラ効果の原理、連続波ドプラ法とパルスドプラ法の基本的な違い(送受信方法、レンジゲート、ナイキスト限界、レンジアンビギュイティ)、カラードプラ法、組織ドプラ法の原理と応用、ベルヌーイの式、各弁膜症の血行動態評価。