大動脈弁が閉じてから僧帽弁が開くまでの心時相はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
心臓の収縮が終わり、大動脈弁が閉じると、心室内の圧力は低下し始めます。この時、まだ心房から心室への血液流入を許す僧帽弁は閉じたままです。心室内の圧力が心房の圧力を下回った時点で僧帽弁が開きます。この、大動脈弁が閉鎖してから僧帽弁が開くまで、心室の容積が変化しないまま圧力が低下する時期を等容弛緩期と呼びます。
選択肢ごとの解説
- 1. 急速流入期は、僧帽弁が開いた直後に血液が左心室へ勢いよく流れ込む時期です。問題文の「大動脈弁が閉じてから僧帽弁が開くまでの期間」とは異なります。正しくは:僧帽弁が開いた後の、左心室への血液流入の初期段階。選びやすい理由:心臓の拡張期の一部であるため、心室への血液流入と関連する時期と誤解されやすいかもしれません。混同注意:等容弛緩期に続く心室拡張期の初期と混同しやすい。
- 2. 駆出期は、心室が収縮して大動脈弁や肺動脈弁が開いて血液が拍出される時期です。問題文の「大動脈弁が閉じてから」という条件とは逆の局面です。正しくは:心室収縮により、大動脈弁および肺動脈弁が開いて血液が心室から拍出される期間。選びやすい理由:心臓の主要なポンプ機能であるため、心周期の重要な段階として選択肢に挙がりやすいです。混同注意:心室収縮期全体や、等容収縮期と混同しやすい。
- 3. 心房収縮期は、心房が収縮して残りの血液を心室に送り込む時期です。これは僧帽弁が開いた後、心室拡張期の末期に起こります。問題文の「僧帽弁が開くまでの期間」には該当しません。正しくは:僧帽弁が開いた後の心室拡張期終盤で、心房が収縮して心室への血液充満を完了させる期間。選びやすい理由:拡張期の重要な部分であり、心室への血液充満と関連するため、正しい選択肢に見える可能性があります。混同注意:心室拡張期の別の段階と混同しやすい。
- 4. 正解。等容弛緩期は、心室収縮後の大動脈弁閉鎖から僧帽弁開口までの期間を指します。この間、心室内の血液量(容積)は変化せず、心室筋は弛緩して圧力が低下します。
- 5. 等容収縮期は、僧帽弁が閉鎖してから大動脈弁が開口するまでの期間です。この間、心室筋は収縮を開始しますが、まだ駆出弁は開いていないため、心室内の血液量は変化しません。問題文の「大動脈弁が閉じてから僧帽弁が開くまでの期間」とは逆の事象が起こる時期です。正しくは:僧帽弁が閉鎖した後、大動脈弁が開口するまでの心室が収縮し始める期間。選びやすい理由:「等容」という言葉や心周期の重要な段階であることから、混同しやすいです。混同注意:等容弛緩期と混同しやすい。弁の開閉のタイミングが逆であるため注意が必要です。
国試ポイント
心周期における各弁の開閉タイミングと、それに伴う心室容積・圧力の変化を正確に理解しているかが問われています。特に、等容収縮期と等容弛緩期における弁の開閉の順序を混同しないことが重要です。
混同注意
等容収縮期と等容弛緩期は、名前が似ており、弁の開閉が逆の順序で起こるため、非常に混同しやすいです。また、急速流入期や心房収縮期といった他の拡張期の段階とも、弁の開閉タイミングで区別が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後この論点が出題された場合、心室の収縮・弛緩と各弁(僧帽弁、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁)の開閉の順序、およびそれに伴う心室内の圧力変化を正確に把握できているかを確認する問題が予想されます。また、心音の発生源となる弁の閉鎖タイミングとの関連も重要です。
関連知識
心周期、心電図、心音図、圧容積曲線、心臓弁の機能、心不全時の心周期の変化