心尖部四腔像の収縮期カラードプラ像(別冊No. 3)を別に示す。この症例で考えられる心雑音はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
心尖部四腔像の収縮期カラードプラ画像において、左心室から左心房への血流逆流(僧帽弁逆流)が確認されます。僧帽弁逆流は左心室の収縮期全体にわたって血液が左心房へ逆流するため、これに伴う心雑音は収縮期全体を通じて持続し、全収縮期雑音として聴取されます。これは僧帽弁閉鎖不全症に特徴的な所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. 連続性雑音は動脈管開存症などで認められる、収縮期から拡張期にかけて途切れることなく持続する雑音です。僧帽弁逆流による全収縮期雑音とは異なります。正しくは:心房中隔欠損症や心室中隔欠損症、僧帽弁逆流症などでは、全収縮期雑音や駆出性収縮期雑音などが多く見られます。選びやすい理由:心疾患全体で様々な雑音があるため、知識が曖昧だと他の雑音を選んでしまう可能性があります。混同注意:他の心雑音(拡張期雑音、駆出性収縮期雑音など)と混同しやすいです。
- 2. 拡張早期雑音は、大動脈弁閉鎖不全症や肺動脈弁閉鎖不全症などで拡張期の初期に聴取される雑音です。画像所見が示す僧帽弁逆流は収縮期に発生します。正しくは:拡張早期雑音は拡張期に聴取される雑音であり、この画像が示す収縮期のカラードプラ所見とは関連が薄いです。選びやすい理由:心雑音の種類が多く、収縮期と拡張期の区別が曖昧な場合に選択されやすいです。混同注意:他の拡張期雑音(拡張中期雑音、拡張後期雑音など)や、収縮期雑音と混同しやすいです。
- 3. 前収縮期雑音は、僧帽弁狭窄症などで拡張末期(収縮期直前)に聴取される雑音です。下図のカラードプラ像は収縮期における僧帽弁逆流を示唆しています。正しくは:前収縮期雑音は拡張末期に聴かれる雑音であり、収縮期に発生する僧帽弁逆流とは異なります。選びやすい理由:僧帽弁に関連する雑音であるため、知識が不確かな場合に誤って選ばれることがあります。混同注意:他の収縮期雑音や、僧帽弁狭窄症に伴う雑音と混同しやすいです。
- 4. 正解。下図のカラードプラ画像は、心尖部四腔像の収縮期において、左心室から左心房への血液の逆流(僧帽弁逆流)を示しています。僧帽弁逆流では、左心室収縮期を通じて左心房への逆流が持続するため、全収縮期にわたり雑音が聴取され、これを全収縮期雑音と呼びます。
- 5. 駆出性収縮期雑音は、大動脈弁狭窄症や肺動脈弁狭窄症などで、収縮期の途中で最大となるクレッシェンド・デクレッシェンド型の雑音です。僧帽弁逆流による雑音は収縮期全体にわたって聴取されます。正しくは:駆出性収縮期雑音は、収縮期の血液駆出に伴って発生し、僧帽弁逆流によるものとは性質が異なります。選びやすい理由:同じ収縮期雑音であるため、正確な鑑別ができない場合に選択されやすいです。混同注意:全収縮期雑音と混同しやすいですが、駆出性雑音は中収縮期に最強点があり、全収縮期雑音は収縮期を通してほぼ均一な強度です。
国試ポイント
心エコー図カラードプラ画像から弁膜症の病態を読み取り、それに対応する心雑音の種類を正しく識別できるかが問われています。特に僧帽弁逆流と全収縮期雑音の関連性は重要です。
混同注意
駆出性収縮期雑音、拡張期雑音など、他の心雑音との鑑別。特に、同じ収縮期雑音である駆出性収縮期雑音との違いを理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まずカラードプラで示されている異常血流の方向と時期(収縮期か拡張期か)を確認します。次に、異常がどの弁で起きているか、それが弁の狭窄か閉鎖不全かを判断し、その病態に対応する心雑音の種類を選択します。
関連知識
各弁膜症(僧帽弁狭窄症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症など)に特徴的な心雑音の種類、聴取部位、最強点、性状(クレッシェンド、デクレッシェンドなど)を理解しておくことが重要です。また、心エコー図のカラードプラ所見から各弁の機能を評価する知識も必要です。