DICを合併しやすいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
急性前骨髄球性白血病(APL)は、白血病細胞から放出される組織因子(tissue factor)やプロテアーゼなどの凝固促進物質により、高頻度に播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併します。これはAPLの病態生理学的な特徴の一つであり、診断時や治療中に特に注意が必要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 肺結核はDICの直接的な原因とはなりにくいです。重症化した場合に稀にDICを併発することもありますが、一般的な合併症ではありません。正しくは:感染症では、敗血症やウイルス性出血熱などがDICのリスクが高いです。選びやすい理由:感染症の重症例はDICのリスクがあるという知識から、重症感染症である肺結核を連想する可能性があります。混同注意:他の重症感染症(例:敗血症)と混同する可能性があります。
- 2. 薬剤性肝障害は肝臓の機能低下を引き起こしますが、直接的にDICを合併する主要な原因疾患ではありません。肝不全が進行すると凝固・線溶系の異常をきたすことはありますが、DICとは病態が異なります。正しくは:重症肝不全は凝固異常を引き起こしますが、DICとは区別されます。選びやすい理由:肝臓が凝固因子産生に関与するため、肝障害が凝固異常に繋がるという知識から選択しやすいかもしれません。混同注意:肝不全による凝固因子の産生低下や消費性凝固障害とDICを混同する可能性があります。
- 3. 大腿骨頸部骨折自体はDICの直接的な原因疾患ではありません。ただし、手術に伴う大量出血や輸血、あるいは脂肪塞栓症など重篤な合併症が発生した場合にはDICを併発するリスクはあります。正しくは:外傷性ショックや広範囲熱傷、大量出血などはDICのリスクとなります。選びやすい理由:大規模な外傷や手術はDICのリスクとなりうるため、大腿骨頸部骨折という外傷をこれらと関連付けて選択してしまうかもしれません。混同注意:重症外傷や広範囲熱傷によるDICと、単純な骨折を混同する可能性があります。
- 4. 正解。急性前骨髄球性白血病(APL)は、特徴的に顆粒球の異常な前駆細胞が異常なプロコアグラント(凝固促進物質)を放出し、非常に高頻度にDICを合併します。これはAPLの診断基準の一つでもあり、病態に深く関連しています。正しくは:この選択肢は正しい記述です。選びやすい理由:血液疾患であるため、凝固系に影響を与える可能性を連想しやすいですが、特にAPLはDICとの関連が極めて高いことを知っている必要があります。混同注意:他の白血病や血液疾患とDICの関連性を混同する可能性がありますが、APLとDICの関連性は特に強調されます。
- 5. 自己免疫性溶血性貧血は、免疫反応によって赤血球が破壊される疾患ですが、DICの主要な原因ではありません。血管内溶血が重度の場合、稀にDICを誘発することもありますが、APLのような直接的かつ高頻度な合併症ではありません。正しくは:溶血性貧血の中でも、溶血性尿毒症症候群(HUS)や血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)はDICに類似した血栓・止血異常を呈することがありますが、病態は異なります。選びやすい理由:溶血が起こるため、血液疾患であること、血栓形成の可能性を連想しやすいですが、DICとは病態が異なります。混同注意:血栓性微小血管症(TMA)を伴う溶血性貧血(HUS/TTP)と混同する可能性があります。
国試ポイント
DICの代表的な原因疾患について、特に特徴的な合併症として知られている疾患を選ぶ知識が問われています。特に急性前骨髄球性白血病はDICとの関連性が非常に高く、臨床検査技師国家試験では頻出の知識です。
混同注意
DICは様々な重症疾患(敗血症、悪性腫瘍、大規模外傷、産科疾患など)で合併する可能性がありますが、急性前骨髄球性白血病は「特異的かつ高頻度」に合併する疾患として区別して覚える必要があります。他の凝固異常を伴う疾患(例:血友病、肝硬変による凝固障害、ITPなど)との鑑別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出た場合、まず「感染症」「悪性腫瘍」「外傷・手術」「産科合併症」といったDICの主要な原因カテゴリーを想起し、その中で特にDICとの関連が強い代表的疾患を選べるかがポイントになります。特に急性前骨髄球性白血病は、他の白血病と異なりDICとの関連性が際立っている点を押さえているかを確認します。
関連知識
DICの診断基準(厚生労働省基準、日本血栓止血学会基準)、DICの病態生理(凝固線溶系の異常、微小血栓形成、出血傾向)、DICを合併しやすい他の疾患(敗血症、広範囲熱傷、進行癌、産科DICなど)。APLの細胞形態学的特徴や遺伝子異常(PML-RARα融合遺伝子)も関連知識として重要です。