末梢血塗抹標本で好中球の核の過分葉がみられた貧血患者に検査すべき項目はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
好中球の核の過分葉(過分葉好中球)は、巨赤芽球性貧血に特徴的な末梢血所見です。巨赤芽球性貧血は、DNA合成障害によって赤芽球の成熟が遅延することで生じ、その主な原因はビタミンB12欠乏または葉酸欠乏です。したがって、この所見が見られた貧血患者には、ビタミンB12の検査が必須となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 血清鉄の低下は鉄欠乏性貧血と関連しますが、好中球の核の過分葉は巨赤芽球性貧血の特徴であり、鉄欠乏性貧血では通常見られません。正しくは:好中球核の過分葉が見られない貧血患者において、小球性低色素性貧血を疑う場合に検査すべき項目です。選びやすい理由:貧血の一般的な原因として鉄欠乏を連想しやすいですが、核の過分葉という特異的な所見との関連はありません。混同注意:巨赤芽球性貧血と鉄欠乏性貧血の鑑別点について混同しやすいです。
- 2. 亜鉛欠乏は貧血を引き起こすことがありますが、好中球の核の過分葉とは直接的な関連がありません。正しくは:亜鉛欠乏性貧血はまれであり、特定の病態(例:アルコール性肝疾患、クローン病)で考慮されますが、好中球核の過分葉とは結びつきません。選びやすい理由:微量元素として貧血と関連する可能性を漠然と考えるかもしれませんが、好中球核の過分葉の直接的な原因ではありません。混同注意:他の微量元素と、その欠乏が引き起こす血液疾患の特異的な所見について混同しやすいです。
- 3. フェリチンは体内の貯蔵鉄量を反映する指標であり、鉄欠乏性貧血の診断に有用ですが、好中球核の過分葉を示す巨赤芽球性貧血の直接的な原因ではありません。正しくは:好中球核の過分葉が見られない貧血患者において、体内の貯蔵鉄量を評価し、鉄欠乏性貧血の診断や治療効果の判定に利用します。選びやすい理由:鉄欠乏性貧血の重要な検査項目であるため、貧血というキーワードから連想しやすいですが、核の過分葉とは関連がありません。混同注意:鉄欠乏性貧血と巨赤芽球性貧血の検査項目を混同しやすいです。
- 4. 正解。好中球の核の過分葉は、巨赤芽球性貧血に特徴的な所見です。巨赤芽球性貧血の主な原因はビタミンB12欠乏または葉酸欠乏であるため、ビタミンB12の測定は非常に重要です。選びやすい理由:この症状に直接関連する最も重要な検査項目です。混同注意:葉酸欠乏も巨赤芽球性貧血の原因ですが、選択肢に葉酸がない場合、ビタミンB12が最優先となります。
- 5. エリスロポエチンは腎臓から分泌される造血因子で、貧血時には上昇して赤血球産生を促進しますが、好中球の核の過分葉とは直接関連しません。正しくは:腎性貧血の診断や治療効果の判定、再生不良性貧血などの骨髄機能不全を疑う場合に測定を考慮します。選びやすい理由:貧血と関連するホルモンであるため選択肢として考えられますが、特定の形態学的特徴(核の過分葉)とは結びつきません。混同注意:貧血の種類ごとの原因と、それに対応する検査項目を混同しやすいです。
国試ポイント
好中球の核の過分葉が巨赤芽球性貧血の末梢血所見であることを理解し、その原因であるビタミンB12欠乏(または葉酸欠乏)に結びつけられるか問う問題です。貧血の種類とその特異的な検査所見、および原因物質を関連付けて覚えることが重要です。
混同注意
鉄欠乏性貧血や再生不良性貧血など、他の貧血の原因と混同しやすいですが、好中球核の過分葉という形態学的特徴が巨赤芽球性貧血に特異的であることを押さえることがポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、好中球核の過分葉以外の巨赤芽球性貧血の検査所見(例:MCV上昇、MCH上昇、網状赤血球数、骨髄所見)や、葉酸欠乏との鑑別、ビタミンB12欠乏の原因(胃切除後の内因子欠乏、吸収不良症候群など)についても問われる可能性があります。
関連知識
巨赤芽球性貧血では、好中球の核の過分葉以外にも、大球性貧血(MCV上昇)、赤血球の大小不同・異形性、網状赤血球減少、白血球減少、血小板減少などが認められます。ビタミンB12欠乏は神経症状を伴うことがあります。