医療情報システムで保健医療情報交換の標準規格はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
HL7 (Health Level Seven International) は、医療機関内で発生する多様な保健医療情報(患者基本情報、入退院情報、検査結果、処方、オーダーなど)を異なる医療情報システム間で効率的かつ正確に交換するための国際的な標準規格です。医療システム間の相互運用性を高めるために不可欠な役割を担っています。
選択肢ごとの解説
- 1. DICOM (Digital Imaging and Communications in Medicine) は、医用画像の記録、保存、伝送、表示に関する標準規格であり、保健医療情報全般の交換規格ではありません。正しくは:医用画像データの交換規格である。選びやすい理由:医療情報システムに関する規格であるため、広範囲の情報交換規格と誤解される可能性があります。混同注意:HL7とは異なるが、医療情報標準化に関する一般的な知識が不足していると、DICOMも広義の情報交換規格の一つと考えてしまうかもしれない。
- 2. 正解。HL7 (Health Level Seven International) は、医療機関内で発生する様々な臨床データ(患者情報、検査結果、処方情報など)を異なるシステム間で効率的かつ正確に交換するための国際的な標準規格です。医療システム間の相互運用性を高める役割を担っています。
- 3. ICD11 (International Classification of Diseases 11th Revision) は、疾病や関連する健康問題の国際的な分類体系であり、情報交換の「規格」そのものではありません。診断名などをコード化するために用いられる「コード体系」です。正しくは:疾病や健康問題の国際的な分類コード体系である。選びやすい理由:医療情報システムで利用される重要な要素であるため、標準規格と混同しやすいです。混同注意:データの「内容」を分類するコード体系と、データを「交換」するための規格を混同しやすいです。
- 4. JLAC10/11 (Japanese Laboratory Code) は、日本国内で臨床検査項目を標準化し、コード化するためのものであり、広範な保健医療情報交換の「規格」そのものではありません。検査データの内容をコード化する「コード体系」です。正しくは:日本の臨床検査項目をコード化するための分類体系である。選びやすい理由:臨床検査技師国家試験なので、馴染みのある臨床検査に関する用語であり、医療情報システムで利用されるコード体系であるため、情報交換規格と混同しやすいです。混同注意:データの「内容」を分類するコード体系と、データを「交換」するための規格を混同しやすいです。
- 5. PACS (Picture Archiving and Communication System) は、医用画像をデジタルデータとして保存、管理、配信するための「システム」であり、「標準規格」ではありません。DICOMなどの規格を利用して構築されるものです。正しくは:医用画像を管理・配信するシステムである。選びやすい理由:医療情報システムの一部であるため、規格と誤解される可能性があります。混同注意:規格(DICOMなど)を利用して構築されるシステムと、その規格自体を混同しやすいです。
国試ポイント
医療情報システムにおける標準規格に関する基本的な知識が問われています。特に、情報交換の規格、データのコード体系、医用画像に関する規格やシステムの違いを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
情報交換のための「規格」と、データの「コード体系」や「システム」を混同しやすいです。例えば、HL7は情報交換規格、ICD11やJLAC10/11はコード体系、DICOMは医用画像データ規格、PACSはシステム、といった違いを明確に区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
次回同様の論点が出題された場合、選択肢に挙げられた各用語が「情報交換の標準規格」「データ分類のコード体系」「システムそのもの」のいずれに該当するかをまず見極めることが重要です。特に「国際的な」標準規格であるか、「特定の分野」の規格であるか、「国内独自の」規格であるかという視点も持つと、より正確な判断ができます。
関連知識
医療情報システムの標準化は、医療の質向上、効率化、安全性確保のために不可欠です。HL7以外にも、特定の分野で用いられる標準規格(例: LOINC、SNOMED CTなど)や、日本独自の標準コード体系(例: JAMIコード)についても理解を深めておくと良いでしょう。また、電子カルテシステム、オーダリングシステム、検査システムなどの具体的な医療情報システム構成要素と、それぞれのシステムがどのような標準規格を利用しているのかを関連付けて学習することが効果的です。