37 ℃の媒質中における音速[m/s]として誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
超音波診断学において、生体組織における音速の知識は基礎であり、特に体温(37℃)環境下での各媒質の標準的な音速を理解している必要があります。脂肪の音速は、水や他の軟部組織の音速(約1540 m/s)と比較的近い値(1450-1470 m/s)であり、提示された900 m/sは明らかに低すぎるため不適切です。他の選択肢に示された空気、水、血液、頭蓋骨の音速は、それぞれ37℃における妥当な値です。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は適切です。空気中の音速は温度に依存し、37℃では約350 m/sとなります。この値は超音波診断では主にプローブと皮膚の間に塗布するゼリーとの間の空気層を考慮する際に重要です。正しくは:この記述はすでに正しいので、修正の必要はありません。選びやすい理由:一般的な物理学の知識として正しいため、誤りではないと判断しやすいです。混同注意:室温(20℃)での音速(約343 m/s)と混同することがありますが、体温での値として妥当です。
- 2. 正解。この記述は不適切です。脂肪組織における音速は、一般的に1450 m/sから1470 m/sの範囲です。900 m/sという値は、脂肪の音速としては大幅に低すぎます。正しくは:脂肪の音速は、37℃で約1450~1470 m/sです。選びやすい理由:他の選択肢が妥当な値であるため、この値の異常性に気づかない場合や、特定の液体と誤認する可能性があります。混同注意:超音波診断における身体組織の音速として、水に近い値であることを知っていれば誤りだと気づけますが、誤って非常に柔らかい物質の音速と混同する可能性があります。
- 3. この記述は適切です。純粋な水における音速は、温度に依存し、37℃では約1480 m/sです。生体組織の多くは水分を豊富に含むため、この値は生体内の音速の基準として重要です。正しくは:この記述はすでに正しいので、修正の必要はありません。選びやすい理由:一般的な物理学の知識として正しいため、誤りではないと判断しやすいです。混同注意:20℃の水中の音速(約1482 m/s)と非常に近い値であり、体温での値として適切です。
- 4. この記述は適切です。血液中の音速は、水よりもわずかに高く、37℃で約1570 m/sとされています。これは血液中に含まれる細胞成分などの影響によるものです。正しくは:この記述はすでに正しいので、修正の必要はありません。選びやすい理由:水に近い値ですが、わずかに高いため、正確な値を知らないと判断に迷うかもしれません。混同注意:水中の音速(約1480 m/s)と混同しやすいですが、血液は細胞成分を含むため、水よりやや高い値であることを理解しておく必要があります。
- 5. この記述は適切です。骨(特に緻密骨である頭蓋骨)のような硬い組織中の音速は、軟部組織や液体と比較して非常に速く、37℃で約4000 m/sを超える値を示します。提示された4080 m/sは妥当な値です。正しくは:この記述はすでに正しいので、修正の必要はありません。選びやすい理由:他の軟部組織や液体と比較して極めて速い値であるため、これが本当に正しいのか疑問に思うかもしれませんが、骨の音速としては適切です。混同注意:軟部組織の音速(1540 m/s前後)と大きく異なるため、混同することは少ないですが、その速さを過小評価する可能性があります。
国試ポイント
超音波診断の基礎として、主な生体組織や周辺媒質(空気、水など)における音速の標準的な値(特に37℃環境下)を正確に記憶しているかが問われます。特に、水と軟部組織の音速の差や、骨のように硬い組織の音速が極端に速いこと、脂肪の音速が水に比較的近いことなどを理解しておく必要があります。
混同注意
軟部組織全体の平均音速(約1540 m/s)と個別の組織(脂肪、筋肉など)の音速を混同しやすいです。また、空気や水の音速を室温の値と体温の値で混同することもあります。特に脂肪の音速は、水よりわずかに遅い程度であることを知らずに、他の非常に柔らかい物質と誤解する可能性があります。
次に同じ論点が出たら
この論点に関連して次に問われる可能性のあることは、各組織の音速の違いが超音波画像にどのような影響を与えるか(例:距離分解能の誤差、屈折、アーチファクトの発生など)、または異なる周波数の超音波が媒質中でどのように振る舞うか(例:減衰の度合い)といった応用的な知識です。
関連知識
超音波の伝播速度は、媒質の密度と体積弾性率(圧縮のされにくさ)によって決定されます。密度が高く、弾性率が高いほど音速は速くなります。生体内の平均音速は1540 m/sとして超音波診断装置が設計されていますが、実際には組織によって音速が異なるため、これがアーチファクトの原因となることもあります。