二次線溶を反映する検査はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
Dダイマーは、すでに形成されたフィブリンがプラスミンによって分解される際に特異的に生成する分解産物です。フィブリンの架橋構造がプラスミンによって分解されることでDドメインが2つ連結した構造として検出されるため、血栓形成(一次止血・二次止血)とその後の線溶(二次線溶)が起こったことを強く示唆します。したがって、二次線溶の活動を最も直接的に反映する検査項目といえます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Dダイマーは、すでに形成されたフィブリン血栓がプラスミンによって分解される際に生成する特異的な分解産物です。そのため、二次線溶(血栓溶解)が進行していることを示すマーカーとして最も適切です。
- 2. フィブリノゲンは凝固因子のひとつであり、フィブリンに変換されて血栓を形成する基質です。線溶系の亢進で消費されることはありますが、線溶が進行していることを直接的に反映するマーカーではありません。凝固系の指標です。正しくは:フィブリノゲンは凝固系の指標であり、線溶の基質や消費を示すものです。線溶の活動そのものを反映するものではありません。選びやすい理由:線溶によってフィブリンが分解されることを知っていると、フィブリノゲンも関係すると思うかもしれません。混同注意:凝固系と線溶系の役割や測定目的。
- 3. プラスミノゲンは線溶系の主要な酵素であるプラスミンの前駆体です。線溶の活性化によってプラスミンに変換されますが、プラスミノゲン自体の量が高いからといって線溶が活発であるとは限りません。むしろ線溶が亢進すると消費される傾向にあります。正しくは:プラスミノゲンは線溶酵素プラスミンの前駆体ですが、線溶の活動を直接的に反映するマーカーではありません。選びやすい理由:「プラスミン」という言葉から線溶系と関連付けるのは正しいですが、前駆体の量を測ることが活動の指標にはならない点を見落とすかもしれません。混同注意:酵素前駆体とその活性化された酵素、そしてその分解産物との違い。
- 4. アンチトロンビンは凝固抑制因子であり、主にトロンビンをはじめとする複数の凝固因子を阻害することで血栓形成を抑制します。線溶系ではなく、凝固抑制系に属します。正しくは:アンチトロンビンは凝固抑制因子であり、線溶系とは異なる役割を持ちます。選びやすい理由:血栓形成と関連があるため、線溶系にも影響があるのではないかと考えるかもしれません。また、血栓形成抑制作用があるため、血栓溶解(線溶)と混同するかもしれません。混同注意:凝固系、線溶系、凝固抑制系のそれぞれの役割と主要な因子。
- 5. プラスミンインヒビター(α2-プラスミンインヒビターなど)は、活性化されたプラスミンを不活化する線溶抑制因子です。これは線溶が過剰に進行しないように制御する役割を持ち、線溶の活動そのものを反映するのではなく、その抑制側の因子です。正しくは:プラスミンインヒビターはプラスミンを不活化する線溶抑制因子であり、線溶の活動を反映するものではありません。選びやすい理由:「プラスミン」という言葉が入っているため、線溶系と直接関連すると考えるかもしれません。しかし、その機能は抑制です。混同注意:線溶の促進因子と抑制因子。
国試ポイント
凝固・線溶系の各因子の役割と、それぞれの検査マーカーが何を反映しているかを正確に理解しているかが問われています。特に、線溶の活動を直接的に示すマーカーとしてのDダイマーの重要性を理解しておく必要があります。
混同注意
凝固系と線溶系の因子、およびその前駆体や抑制因子が混同されやすいです。特に、フィブリノゲン、プラスミノゲン、Dダイマーの役割の違いを明確に理解する必要があります。また、一次線溶と二次線溶の違いも重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず「線溶」が問われているのか「凝固」が問われているのかを明確にし、次に「活動」を反映するマーカーなのか、「基質」や「抑制因子」なのかを区別して判断します。
関連知識
・一次線溶(血漿中のプラスミノーゲンが活性化されてプラスミンとなり、フィブリンやフィブリノゲンを分解するが、血栓形成には至っていない状態)と二次線溶(血栓形成後に、その血栓を溶解する過程)の違い。Dダイマーは二次線溶に特異的です。 ・凝固亢進(DICなど)や線溶亢進で変動する因子。 ・各因子の正常値と異常時の臨床的意義。