セリンプロテアーゼインヒビターはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
アンチトロンビン(ATIII)は、血液凝固系の重要な生理的阻害因子であり、トロンビン(第IIa因子)や第Xa因子、第IXa因子などのセリンプロテアーゼ活性を直接的かつ強力に阻害します。ヘパリンとの結合によりその阻害作用はさらに増強されます。
選択肢ごとの解説
- 1. ヘパリン自体はセリンプロテアーゼインヒビターではありません。アンチトロンビンと結合し、その活性を増強することで凝固因子(セリンプロテアーゼ)の働きを間接的に阻害します。正しくは:ヘパリンはアンチトロンビンの活性を増強する糖鎖であり、直接的なセリンプロテアーゼインヒビターではありません。選びやすい理由:ヘパリンは抗凝固作用を持つため、セリンプロテアーゼの阻害に関与すると誤解されやすいです。混同注意:アンチトロンビン
- 2. プロテインCは、活性化されると第Va因子および第VIIIa因子を切断して不活化するセリンプロテアーゼです。それ自体がセリンプロテアーゼインヒビターではありません。正しくは:プロテインCはセリンプロテアーゼであり、凝固促進因子の切断・不活化により抗凝固作用を発揮します。選びやすい理由:プロテインCは抗凝固作用を持つため、セリンプロテアーゼを阻害すると誤解されやすいですが、実際はセリンプロテアーゼです。混同注意:アンチトロンビンや他の直接的なセリンプロテアーゼインヒビター
- 3. プロテインSは、活性化プロテインC (APC) の補因子として機能し、APCによる第Va因子と第VIIIa因子の不活化を促進します。それ自体はセリンプロテアーゼインヒビターではありません。正しくは:プロテインSは活性化プロテインCの補因子です。選びやすい理由:プロテインSも抗凝固作用を持つため、セリンプロテアーゼを阻害すると誤解されやすいです。混同注意:アンチトロンビンや他の直接的なセリンプロテアーゼインヒビター
- 4. 正解。アンチトロンビン(ATIII)は、複数の凝固因子(トロンビン、第Xa因子、第IXa因子など)を不活化するセリンプロテアーゼインヒビター(セルピン)の一種です。選びやすい理由:これは直接的なセリンプロテアーゼインヒビターであるため、誤解の余地は少ないですが、他の因子との関連性を正しく理解しているかどうかが問われます。
- 5. トロンボモジュリンは血管内皮細胞表面の受容体で、トロンビンと結合してトロンビンがプロテインCを活性化する効率を著しく高めます。それ自体がセリンプロテアーゼインヒビターではありません。正しくは:トロンボモジュリンはトロンビンと結合してプロテインCの活性化を促進する受容体です。選びやすい理由:トロンボモジュリンも抗凝固系に関与するため、セリンプロテアーゼの阻害と混同されやすいです。混同注意:直接的なセリンプロテアーゼインヒビターや、トロンビンを阻害する因子
国試ポイント
凝固・線溶系の主要な因子について、それぞれの機能と分類(セリンプロテアーゼ、補因子、インヒビターなど)を正確に理解しているかが問われます。特に、抗凝固系における各因子の役割と、その中でセリンプロテアーゼインヒビターに該当するものを識別できるかが重要です。
混同注意
抗凝固作用を持つ因子全般(プロテインC、プロテインS、ヘパリンなど)と、直接セリンプロテアーゼを阻害する因子(アンチトロンビン)との区別。プロテインC自体もセリンプロテアーゼであるため、その点も混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、選択肢にある各因子が「セリンプロテアーゼそのものか」「セリンプロテアーゼの補因子か」「セリンプロテアーゼを直接阻害するインヒビターか」を判断できるかを確認します。
関連知識
血液凝固カスケード、線溶系、天然の抗凝固因子(アンチトロンビン、プロテインCシステム、組織因子経路インヒビター(TFPI)など)、ヘパリンの作用機序。