右季肋部縦走査による超音波像(別冊No. 5)を別に示す。所見はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
下に示す画像では、肝臓の実質エコーが腎臓の皮質エコーよりも高輝度に見え、両者のコントラストが顕著に増強しています。これは脂肪肝の主要な超音波所見の一つであり、肝臓への脂肪沈着により肝実質のエコー輝度が上昇することで生じます。
選択肢ごとの解説
- 1. 画像からは肝表面の明らかな不整は確認できません。慢性肝炎や肝硬変でよく見られる所見です。正しくは:肝表面は滑らかである。選びやすい理由:肝疾患の超音波所見として一般的であるため、誤って選ぶ可能性がある。混同注意:肝硬変の結節形成や線維化に伴う表面不整と混同しやすい。
- 2. カメレオンサインは、腹水の有無や体位によって胆嚢壁の肥厚度が変化する所見で、急性胆嚢炎に特異的ですが、この画像からは確認できません。正しくは:カメレオンサインは認められない。選びやすい理由:炎症性の胆嚢疾患で知られるサインであるため。混同注意:急性胆嚢炎の他の所見(胆嚢壁肥厚、Murphy徴候陽性など)と混同しやすい。
- 3. ブルズアイサイン(標的像)は、肝臓に転移したがんなどで見られる、中心が低エコーで周囲が高エコーの層状構造を示す所見です。この画像には該当する病変は見られません。正しくは:ブルズアイサインは認められない。選びやすい理由:肝臓病変でよく聞かれる超音波サインであるため。混同注意:肝臓の腫瘍性病変(特に転移性肝がん)に見られる他のサインと混同しやすい。
- 4. モザイクパターンは、肝細胞癌などで見られる、腫瘍内部に不均一なエコー輝度を持つ区画が混在する所見です。この画像からはそのような病変は確認できません。正しくは:モザイクパターンは認められない。選びやすい理由:肝細胞癌で認められることがある所見であるため。混同注意:肝細胞癌の他の特徴的なエコーパターンと混同しやすい。
- 5. 正解。下図の超音波画像では、肝臓(肝実質)と右腎臓(腎皮質)のエコー輝度を比較すると、肝実質が高エコーに見え、腎皮質との境界が明瞭に際立っています。これは脂肪肝の典型的な所見であり、肝実質のエコー輝度が腎皮質よりも高くなることで肝腎コントラストが増強していると評価されます。
国試ポイント
超音波検査における肝臓と腎臓のエコー輝度差の評価、特に脂肪肝の診断に用いられる所見の理解が問われています。代表的な病態とそれに対応する超音波サインを正しく識別できるかが重要です。
混同注意
単に肝実質が高エコーであることだけでなく、隣接する腎皮質との比較によって相対的なコントラストの増強を評価する点。
次に同じ論点が出たら
次に類似の論点が出題された場合、肝臓に限らず、他の臓器における隣接臓器とのエコー輝度差の評価や、疾患に特異的な超音波サインを問われる可能性があるため、各臓器の標準的な超音波解剖と病態に応じたエコー変化を比較検討できるよう準備する必要があります。
関連知識
脂肪肝の超音波所見には、肝腎コントラストの増強の他に、肝内血管壁のエコー輝度低下や、横隔膜エコーの不明瞭化などがあります。また、肝臓疾患における各種の超音波サイン(例えば、肝硬変の肝表面不整、肝腫瘍のブルズアイサインなど)についても理解しておく必要があります。