超音波画像のアーチファクトで虚像が出現しないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
音響陰影は、超音波が描出能の低い物質(結石や骨など)に当たった際に、その物質の深部に超音波が到達せず、無エコー領域として描出される現象である。これは超音波ビームが減衰または反射される結果であり、超音波が到達しない領域に像が描出されないため、虚像の出現とは異なる。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。音響陰影は、超音波が減衰または反射されることで、その後方に超音波が到達せず無エコー領域となる現象であり、実際の構造とは異なる虚像が形成されるわけではないため、虚像が出現しないアーチファクトである。選びやすい理由:アーチファクトの一つであるため、他の虚像を伴うアーチファクトと混同しやすい。混同注意:多重反射やミラーイメージなどの虚像を形成するアーチファクト。
- 2. 多重反射は、超音波が異なる音響インピーダンスを持つ複数の境界で繰り返し反射されることにより、探触子からの距離を過大評価し、実際の構造より深部に虚像が描出される現象であるため、虚像が出現する。正しくは:多重反射は虚像が出現するアーチファクトである。選びやすい理由:最もよく見られるアーチファクトの一つであり、他のアーチファクトと原因を混同しやすい。混同注意:コメット現象(多重反射の一種)や残響(多重反射に類似)など。
- 3. レンズ効果(屈折アーチファクト)は、超音波ビームが異なる音速を持つ構造の境界を斜めに通過する際に屈折し、実際の構造とは異なる位置に虚像を形成する、または構造の辺縁がずれて描出される現象であるため、虚像が出現する。正しくは:レンズ効果は虚像が出現するアーチファクトである。選びやすい理由:物理学的な現象であり、超音波の基本的な挙動と関連するため、正しい選択肢と誤認しやすい。混同注意:ビーム幅アーチファクト(ビームの横方向の広がりによる虚像)など。
- 4. サイドローブは、主ビームの周囲に存在する微弱な超音波ビームが、主ビームの軸外にある構造に当たり反射して探触子に戻ることで、その構造が主ビーム軸上に虚像として描出される現象であるため、虚像が出現する。正しくは:サイドローブは虚像が出現するアーチファクトである。選びやすい理由:主ビームとは異なる経路でエコーが検出されるため、理解が複雑で誤認しやすい。混同注意:グレーティングローブ(マルチエレメント探触子で発生するサイドローブに類似した現象)。
- 5. ミラーイメージは、強い反射体(例:横隔膜、胸膜)が存在する場合、超音波がその反射体で反射され、さらにその先の構造からのエコーが再度強い反射体で反射されて探触子に戻ることで、強い反射体の後方に実際の構造の鏡像(虚像)が描出される現象であるため、虚像が出現する。正しくは:ミラーイメージは虚像が出現するアーチファクトである。選びやすい理由:文字通り「鏡像」として認識されやすいため、虚像と判断しやすい一方で、アーチファクトの発生機序が視覚的にわかりやすいため、逆に誤解を招くこともある。混同注意:多重反射(反射の繰り返しが原因)や残響。
国試ポイント
超音波診断における主要なアーチファクトの発生機序と、それが虚像を形成するか否かを理解する。
混同注意
多重反射、サイドローブ、ミラーイメージはいずれも実際の構造とは異なる位置にエコーが描出される虚像であるのに対し、音響陰影はエコーが描出されない「欠損像」である点で区別される。
次に同じ論点が出たら
「虚像が出現しないアーチファクト」を問われた場合、音響陰影(後方減衰)や後方エコー増強(透過性向上による)など、実際の解剖学的構造とは異なる位置に新しいエコーを作り出さない現象に注目して判断する。
関連知識
超音波アーチファクトには、今回の選択肢にあるものの他に、残響、コメット、ビーム幅、屈折、速度誤差などがある。これらを分類し、それぞれが実像か虚像か、また原因を理解することが重要である。