深夜に血中濃度が高値を示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
成長ホルモン(GH)は、入眠後の深い睡眠期に分泌が最も盛んになり、血中濃度が著明なピークを示します。この現象は、体の成長や修復に関わる重要な生理作用の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 誤り。カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)は活動期やストレス時に分泌が亢進するため、通常、日中に高値を示し、夜間は低下します。正しくは:日中に高値を示す。選びやすい理由:ストレス反応と結びつきやすく、変動が大きいホルモンというイメージから、夜間にも何らかのピークがあるのではないかと誤解しやすいかもしれません。混同注意:他のストレス関連ホルモン(例:コルチゾール)の分泌パターンと混同することがあります。
- 2. 正解。正しい。成長ホルモン(GH)は、特に睡眠中に分泌が促進され、入眠後の深い睡眠(徐波睡眠)期に血中濃度が著明なピークを示します。このピークは一般的に深夜から未明にかけて現れます。
- 3. 誤り。副甲状腺ホルモン(PTH)は血中カルシウム濃度を調節するホルモンであり、概日リズムは比較的弱いか、緩やかな変動を示しますが、深夜に明確な高値ピークを示すという特徴はありません。一部研究では夜間にわずかな上昇傾向が示唆されることもありますが、GHのような顕著なピークではありません。正しくは:夜間にわずかな上昇傾向が見られることもあるが、深夜に著明なピークを示すホルモンではない。選びやすい理由:カルシウム代謝の調節という重要性から、絶えず分泌されているイメージがあるため、特定の時間帯でのピークを意識しにくいかもしれません。混同注意:血中カルシウムやリンの代謝に関わる他のホルモン(例:活性型ビタミンD)のリズムと混同することがあります。
- 4. 誤り。卵胞刺激ホルモン(FSH)は成人女性では月経周期に関連して変動し、排卵期などにピークが見られますが、深夜に特異的に高値を示す明確な概日リズムはありません。ただし、思春期前の小児では睡眠中に分泌が亢進する現象が見られますが、この問題は一般的な成人の生理を問うものです。正しくは:成人女性では月経周期に合わせて変動するが、深夜に特異的な高値は示さない。選びやすい理由:性ホルモンの中には日内変動を示すものもあるため、FSHもそうだと誤解する可能性があります。混同注意:思春期前の小児における性腺刺激ホルモン(LH、FSH)の夜間上昇と混同することがあります。
- 5. 誤り。副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は明確な概日リズムを持ち、早朝(覚醒前)にピークを迎え、日中に徐々に減少し、深夜から未明にかけて最低値を示します。正しくは:早朝にピークを示し、深夜には最低値を示す。選びやすい理由:同じく概日リズムを持つホルモンであるため、ピークのタイミングを混同しやすいです。特にコルチゾール(ACTHの刺激で分泌される)のピークと混同することがあります。混同注意:コルチゾールなど、ACTHによって分泌が促進されるホルモンのピーク時間と混同することがあります。ACTHとコルチゾールはほぼ同じ概日リズムを示しますが、深夜がピークではありません。
国試ポイント
ホルモンの概日リズム、特に主要な内分泌腺から分泌されるホルモンの日内変動パターンに関する知識が問われています。深夜にピークを示すホルモンとして成長ホルモンは典型的であり、早朝にピークを示すホルモン(ACTH、コルチゾール)や、性周期に関わるホルモンとの違いを理解しておくことが重要です。
混同注意
ACTHやコルチゾールといった早朝にピークを示すホルモンと、成長ホルモンの深夜ピークが混同されやすいです。また、微妙な日内変動を示すホルモン(PTHなど)と、顕著なピークを持つホルモンとの区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず「深夜」や「早朝」といった具体的な時間帯のキーワードに注目し、その時間帯にピークを示す代表的なホルモンを想起することが肝要です。特に、成長ホルモンとACTH/コルチゾールの分泌パターンは頻出なので、しっかりと区別して覚える必要があります。
関連知識
ホルモンの分泌リズムには、概日リズム(約24時間周期)の他にも、超日リズム(24時間より短い周期、例:脈動性分泌)や infradian rhythm(24時間より長い周期、例:月経周期)などがあります。それぞれのホルモンがどのようなリズムで分泌されるかを理解することは、疾患の診断や治療において非常に重要です。