B型肝炎ウイルスワクチンの効果を判定する検査はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
B型肝炎ウイルスワクチンは、ウイルス表面抗原であるHBs抗原に対する抗体(HBs抗体)の産生を促すことで免疫を獲得させます。したがって、ワクチン接種後の免疫獲得状況を評価するには、HBs抗体の有無や量を測定することが適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. HBc抗体(B型肝炎コア抗体)は、HBV感染によって産生される抗体であり、ワクチン接種では誘導されません。急性または既往のHBV感染を示すマーカーです。正しくは:HBVワクチン効果判定にはHBs抗体を測定します。選びやすい理由:抗体であるため、免疫反応と関連すると誤解しやすいかもしれません。混同注意:HBs抗体と混同しやすいですが、HBc抗体は感染の有無を示し、ワクチン効果とは直接関係ありません。
- 2. HBe抗原はHBVが活発に増殖している状態を示すマーカーであり、ワクチン接種による免疫獲得の指標とはなりません。正しくは:HBVワクチン効果判定にはHBs抗体を測定します。選びやすい理由:抗原であるため、ウイルスの存在や活動と関連すると考えがちですが、ワクチン効果とは異なります。混同注意:HBs抗原やHBs抗体と名前が似ているため混同しやすいですが、それぞれ異なる意味を持ちます。
- 3. HBe抗体はHBe抗原が消失した後に産生され、ウイルスの増殖能が低下したことを示すことが多いですが、ワクチン効果の直接的な指標ではありません。正しくは:HBVワクチン効果判定にはHBs抗体を測定します。選びやすい理由:抗体であるため、防御免疫と関連すると考えがちですが、HBVに対する防御免疫を評価するのはHBs抗体です。混同注意:HBs抗体と混同しやすいですが、HBe抗体はウイルス増殖の沈静化を、HBs抗体は感染防御能を示します。
- 4. HBs抗原はB型肝炎ウイルスの表面抗原であり、ウイルスが体内に存在し、感染していることを示します。ワクチン接種によってHBs抗原が陽性になることはありません。正しくは:HBVワクチン効果判定にはHBs抗体を測定します。選びやすい理由:ワクチンがHBs抗原に対する免疫を誘導するため、HBs抗原そのものがワクチン効果の指標になると誤解しやすいかもしれませんが、ワクチン接種により体内で誘導されるのはHBs抗体です。混同注意:HBs抗体と混同しやすいですが、HBs抗原は感染の存在を、HBs抗体は防御免疫を示します。
- 5. 正解。B型肝炎ワクチンは、HBs抗原に対する抗体を産生させることで免疫を獲得させます。そのため、ワクチン接種後のHBs抗体の有無や量を確認することで、ワクチンの効果(防御免疫の獲得)を判定します。
国試ポイント
B型肝炎ウイルス関連マーカーの役割と、特にワクチン接種効果判定に用いるマーカーを正確に理解しているかを問う問題です。各マーカーが何を示すのかを区別できることが重要です。
混同注意
HBc抗体、HBe抗原、HBe抗体、HBs抗原といったHBV関連マーカーは名称が類似しており、それぞれが示す病態や免疫状態を混同しやすい点が挙げられます。特にHBs抗原とHBs抗体の違い、HBc抗体が感染マーカーであることなどが頻出です。
次に同じ論点が出たら
HBs抗体価が陽性基準以下の場合にブースター接種が必要かどうか、あるいは感染防御能が十分であるとされる抗体価の基準値が問われる可能性があります。
関連知識
B型肝炎ウイルスの構造、感染経路、急性・慢性感染の診断基準、各マーカーが陽性となる時期やその臨床的意義。キャリアの診断と治療、抗体価の維持期間など。