メチル水銀〈有機水銀〉が原因となったのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
水俣病は、熊本県水俣湾周辺で発生した、工場排水に含まれるメチル水銀による環境汚染が原因で、魚介類を通じて人間に摂取され、中枢神経系を障害する公害病です。メチル水銀は有機水銀の一種であり、神経毒性を持つことが特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。水俣病は、熊本県水俣湾周辺で発生した公害病で、工場排水に含まれるメチル水銀が魚介類を介して摂取され、中枢神経系に障害を引き起こしたものです。
- 2. カネミ油症は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)やダイオキシン類が混入した米ぬか油の摂取によって引き起こされた中毒事件です。水銀とは関係ありません。正しくは:カネミ油症の原因は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)とダイオキシン類です。選びやすい理由:公害病・食中毒の一種であるため、他の公害病と混同しやすいかもしれません。混同注意:他の公害病、特に食品を介した中毒(例: 水俣病)と混同されることがあります。
- 3. アザラシ肢症は、妊娠初期に催奇形性のある薬剤サリドマイドを服用した母親から生まれた子どもに見られる、特徴的な四肢の奇形です。水銀中毒とは無関係です。正しくは:アザラシ肢症の原因は、サリドマイドという薬剤の胎児への影響です。選びやすい理由:胎児への影響という点で、公害による影響と関連付けて考えてしまう可能性があります。混同注意:特定の薬剤による催奇形性と、環境汚染による健康被害が混同されることがあります。
- 4. イタイイタイ病は、富山県神通川流域で発生したカドミウム中毒による公害病で、腎障害や骨軟化症を主症状とします。水銀とは異なる重金属が原因です。正しくは:イタイイタイ病の原因は、カドミウムです。選びやすい理由:四大公害病の一つであるため、他の公害病、特に水銀による病気と安易に結びつけてしまう可能性があります。混同注意:他の重金属中毒による公害病(例: 水俣病)と混同されやすいです。
- 5. 四日市ぜんそくは、三重県四日市市で発生した大気汚染による健康被害で、石油化学コンビナートから排出された硫黄酸化物などが原因で、慢性的な気管支ぜんそくを引き起こしました。水銀中毒とは直接関係ありません。正しくは:四日市ぜんそくの原因は、石油化学コンビナートから排出された硫黄酸化物などの大気汚染物質です。選びやすい理由:これも四大公害病の一つであるため、他の公害病と混同しやすいです。混同注意:特定の地域で発生した大気汚染による疾患と、他の種類の公害病が混同されることがあります。
国試ポイント
公害病とその原因物質の組み合わせに関する知識が問われています。特に四大公害病の原因物質は頻出事項です。
混同注意
水俣病(メチル水銀)、イタイイタイ病(カドミウム)、カネミ油症(PCB・ダイオキシン類)、四日市ぜんそく(硫黄酸化物などの大気汚染物質)といった、それぞれの公害病の原因物質が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出題された場合、他の三大公害病の原因物質や、その他主要な環境汚染物質(例:アスベスト、ダイオキシン、PM2.5など)による健康影響について問われる可能性が高いです。
関連知識
四大公害病(水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく、新潟水俣病)、それぞれの原因物質、症状、発生時期と場所、およびその後の対策について理解しておくことが重要です。また、有機水銀の毒性メカニズムや、PCBの毒性についても関連知識として押さえておくべきです。