症例対照研究で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
症例対照研究は、既に疾患に罹患している患者(症例群)と、その疾患に罹患していない対照者(対照群)を抽出し、両群の過去における特定の要因への暴露状況を比較する観察研究です。この研究デザインは、稀な疾患や、疾患発生までに長期間を要する疾患の要因を効率的に探索するのに非常に適しています。これは、疾患の発生を待つ必要がなく、症例を直接集めることができるためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 症例対照研究では、疾患の発生状況を追跡するわけではないため、集団における新たな発症者の割合を示す罹患率を直接計算することはできません。正しくは:症例対照研究では、オッズ比を算出することで、罹患のリスク比を間接的に評価できます。選びやすい理由:コホート研究と混同し、何らかの発生率を評価できると考えてしまう可能性があります。混同注意:コホート研究における罹患率や相対危険度の概念と混同しやすいです。
- 2. 症例対照研究は、研究者が介入を行わず、既存のデータや過去の情報を観察して関連性を調べる「観察研究」に分類されます。正しくは:症例対照研究は観察研究に分類されます。選びやすい理由:研究デザインの分類があいまいで、観察研究と介入研究の区別がついていない場合に誤って選択される可能性があります。混同注意:無作為化比較試験(RCT)などの介入研究と混同しやすいです。
- 3. 症例対照研究では、疾患の有無に基づいて対象者を抽出するため、暴露群と非暴露群の罹患率を比較する相対危険度を直接計算することはできません。代わりにオッズ比を算出します。正しくは:症例対照研究では、オッズ比を算出することができます。選びやすい理由:疫学研究でリスクの関連性を評価する指標として相対危険度とオッズ比が両方あるため、どちらがどちらの研究で用いられるか混乱しやすいです。混同注意:コホート研究で算出される相対危険度と混同しやすいです。
- 4. 正解。症例対照研究では、すでに疾患に罹患している「症例」と、罹患していない「対照」をそれぞれ集めるため、罹患率が非常に低い稀な疾患であっても、効率的に研究を進めることができます。コホート研究のように多数の健常者を長期間追跡する必要がないためです。
- 5. 症例対照研究は過去の情報を遡って調査するため、未来に向かって対象者を追跡するコホート研究(特に前向きコホート研究)よりも、研究の実施にかかる期間は通常短くなります。正しくは:コホート研究に比べて、研究期間が一般的に短くなります。選びやすい理由:研究期間の長短は研究デザインによって異なるため、どちらが長いか短いか混乱しやすいことがあります。混同注意:前向きコホート研究の「長期間追跡」という特徴と混同しやすいです。
国試ポイント
疫学研究デザインの種類(症例対照研究、コホート研究、横断研究、介入研究など)ごとの特徴、利点、欠点、そして算出できる指標(罹患率、相対危険度、オッズ比など)を正確に理解しているかが問われています。特に、稀な疾患の調査に適した研究デザインがどれかという点は頻出です。
混同注意
症例対照研究とコホート研究の主な違い(研究の方向性、算出できる指標、稀な疾患への適応性、研究期間など)は特によく混同されます。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各疫学研究デザインがどのような疾患や状況の調査に適しているか、またそれぞれの研究でどのような統計指標(オッズ比や相対危険度など)が算出可能かを確認することが重要です。特に、稀な疾患や暴露が稀な疾患に対する適応性は頻出ポイントです。
関連知識
観察研究(記述研究、分析疫学研究)、介入研究(臨床試験)。分析疫学研究には、横断研究、症例対照研究、コホート研究が含まれる。それぞれのリスク評価指標(オッズ比、相対危険度)とその計算方法。