日本臨床化学会〈JSCC〉勧告法の試薬中に酵素が含まれるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
日本臨床化学会(JSCC)勧告法において、アミラーゼの酵素法やコリンエステラーゼの測定法では、測定対象の酵素活性を最終的に測定可能な物質に変換するために、試薬の構成成分として他の酵素(補助酵素)が添加されています。アミラーゼ測定ではグルコアミラーゼなどが、コリンエステラーゼ測定ではアセチルコリンエステラーゼなどが試薬中に含まれることがあります。これらは測定対象の酵素そのものではなく、反応を補助するための酵素です。
選択肢ごとの解説
- 1. LD測定のJSCC勧告法では、基質(乳酸、NAD)と補酵素(NAD)は試薬に含まれますが、測定対象の酵素であるLDそのものが試薬として加えられることはありません。正しくは:LDは検体中の酵素活性を測定するものであり、試薬中にLD酵素は含まれません。選びやすい理由:酵素名が並んでいるため、測定対象の酵素を試薬と混同しやすいかもしれません。混同注意:測定対象の酵素と、試薬に含まれる酵素(反応を触媒するために添加されるもの)を混同しやすい。
- 2. ALP測定のJSCC勧告法では、基質(p-ニトロフェニルリン酸)などは試薬に含まれますが、測定対象の酵素であるALPそのものが試薬として加えられることはありません。正しくは:ALPは検体中の酵素活性を測定するものであり、試薬中にALP酵素は含まれません。選びやすい理由:酵素名が並んでいるため、測定対象の酵素を試薬と混同しやすいかもしれません。混同注意:測定対象の酵素と、試薬に含まれる酵素(反応を触媒するために添加されるもの)を混同しやすい。
- 3. γ-GT測定のJSCC勧告法では、基質(L-γ-グルタミル-pNAなど)は試薬に含まれますが、測定対象の酵素であるγ-GTそのものが試薬として加えられることはありません。正しくは:γ-GTは検体中の酵素活性を測定するものであり、試薬中にγ-GT酵素は含まれません。選びやすい理由:酵素名が並んでいるため、測定対象の酵素を試薬と混同しやすいかもしれません。混同注意:測定対象の酵素と、試薬に含まれる酵素(反応を触媒するために添加されるもの)を混同しやすい。
- 4. 正解。アミラーゼ測定のJSCC勧告法(酵素法)では、基質であるデンプンを加水分解するために、あらかじめ試薬中にグルコアミラーゼやα-グルコシダーゼなどの酵素が添加されています。これら補助酵素の働きによって最終的に生成されるグルコースを測定します。
- 5. 正解。コリンエステラーゼ測定のJSCC勧告法(酵素法)では、基質であるブチリルチオコリンを加水分解した後に生成されるチオコリンを定量するため、補助酵素としてアセチルコリンエステラーゼが試薬中に添加されることがあります。これにより、反応生成物を測定可能な物質へ変換する一連の反応が進行します。
国試ポイント
JSCC勧告法における各酵素測定原理の理解、特に試薬構成成分に含まれる『補助酵素』の有無について問う問題です。測定対象の酵素と、反応系に加える酵素を区別できるかがポイントです。
混同注意
測定対象の酵素名と、反応を補助するために試薬中に添加される酵素を混同しやすい。特に、酵素を測定する際に試薬に酵素が含まれるという状況は、一見すると奇妙に感じるため、注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各酵素測定法のJSCC勧告法における反応スキーム全体を想起し、基質・補酵素・補助酵素(試薬中の酵素)の有無を確認する必要があります。
関連知識
各酵素測定法の反応経路と使用される基質、補酵素、および補助酵素の種類。特にJSCC勧告法の各項目における具体的な試薬組成を把握しておくことが重要です。