血清亜鉛が高値を示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
血清亜鉛は、その多くが細胞内、特に赤血球内に存在しています。溶血性貧血では、赤血球が破壊される過程で細胞内の亜鉛が血漿中に放出されるため、血清亜鉛濃度が一時的に上昇することがあります。他の選択肢は、いずれも亜鉛の需要増加、摂取不足、または欠乏症状であり、血清亜鉛濃度は低下する傾向にあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 褥瘡では、創傷治癒に必要な亜鉛が消費されるため、血清亜鉛濃度は低下することが多いです。正しくは:褥瘡では血清亜鉛濃度は低下する傾向にあります。選びやすい理由:亜鉛は創傷治癒に関わるため、不足が強調されがちですが、血清濃度は消費によって低下します。混同注意:亜鉛の生理作用と血清濃度変動の区別が曖昧になっている可能性があります。
- 2. 妊娠中は胎児の成長のために亜鉛需要が増大するため、母体の血清亜鉛濃度は低下する傾向にあります。正しくは:妊娠中は血清亜鉛濃度が低下する傾向にあります。選びやすい理由:妊娠中の栄養バランスの変化から、何らかの物質が上昇すると誤解するかもしれませんが、亜鉛は消費されます。混同注意:妊娠中の各種栄養素の動態、特に胎児への供給による消費と混同しているかもしれません。
- 3. 低栄養状態では、亜鉛の摂取不足や吸収障害が起こりやすいため、血清亜鉛濃度は低下します。正しくは:低栄養状態では血清亜鉛濃度は低下します。選びやすい理由:低栄養は病態が複雑なため、一部の物質が上昇することもありますが、亜鉛は一般的に低下します。混同注意:栄養不足が直接的に血中濃度に反映されるという基本が欠落している可能性があります。
- 4. 味覚障害は亜鉛欠乏症の主要な症状の一つであり、血清亜鉛濃度が低下することで発症することが知られています。正しくは:味覚障害は血清亜鉛濃度が低下することによって引き起こされる症状です。選びやすい理由:味覚障害と亜鉛は強く関連するため、原因と結果を混同しやすいです。味覚障害は「結果」であり、亜鉛は「低値」が原因です。混同注意:亜鉛と味覚障害の関係性について、原因と結果を逆に認識している可能性があります。
- 5. 正解。溶血性貧血では、赤血球が破壊される際に、赤血球内に多く含まれる亜鉛が血中に放出されるため、血清亜鉛濃度が上昇することがあります。選びやすい理由:他の選択肢がいずれも亜鉛低値と関連するため、消去法で選ばれやすいですが、溶血による亜鉛放出というメカニズムを理解していることが重要です。混同注意:溶血による細胞内成分の放出が、血清濃度にどのように影響するかという知識が不十分な場合、このメカニズムを看過する可能性があります。
国試ポイント
血清亜鉛の異常値を示す病態について、特に細胞内貯蔵と細胞破壊による影響を問う問題です。亜鉛欠乏症の主な症状と、検査値の変動を混同しないよう注意が必要です。
混同注意
亜鉛欠乏症の症状(味覚障害、褥瘡など)と、血清亜鉛値の上昇・低下を示す病態。特に、味覚障害は亜鉛欠乏によって生じるため、亜鉛濃度が低い状態が原因であることを理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が問われた場合、亜鉛の代謝経路、特に吸収・輸送・排泄の異常が血清濃度にどう影響するか、また急性期反応物質としての側面も考慮して判断できるよう準備しましょう。
関連知識
血清亜鉛の基準値、亜鉛の生理作用(酵素活性、免疫機能、創傷治癒、DNA合成など)、亜鉛欠乏症の原因(肝硬変、腎不全、消化器疾患、特定の薬剤服用など)と症状。また、微量元素の細胞内分布についても知識があると良いでしょう。