Bacteroides fragilisについて正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Bacteroides fragilisは、エスクリン加水分解能を持つことがその同定における重要な生化学的特徴の一つです。この反応は、B. fragilis群の識別に用いられます。一方、黒色色素産生はPrevotella属やPorphyromonas属、インドール産生は他の腸内細菌、カタラーゼ陽性はB. fragilisの比較的珍しい特徴ではあるが陰性ではない、アミノグリコシド系抗菌薬への耐性は嫌気性菌の一般的な特徴であり、B. fragilisも感受性を示しません。
選択肢ごとの解説
- 1. Bacteroides fragilisは黒色色素を産生しません。黒色色素産生能は主にPrevotella属やPorphyromonas属の一部細菌種(例: P. melaninogenica, P. gingivalis)に見られる特徴です。正しくは:Bacteroides fragilisは黒色色素を産生しません。選びやすい理由:嫌気性菌の中には黒色色素を産生するものがいるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:Prevotella melaninogenicaやPorphyromonas gingivalisなどの色素産生嫌気性菌
- 2. Bacteroides fragilisは通常インドール陰性です。インドール産生はトリプトファンからインドールを生成する能力であり、他の多くの細菌種の同定に用いられますが、B. fragilisでは陰性となります。正しくは:Bacteroides fragilisはインドール陰性です。選びやすい理由:多くの腸内細菌がインドール陽性を示すため、一般的なイメージと混同する可能性があります。混同注意:E. coliなどのインドール陽性菌
- 3. Bacteroides fragilisはカタラーゼ陽性です。カタラーゼは過酸化水素を分解する酵素であり、嫌気性菌の中では比較的珍しい特徴ですが、B. fragilisは保有しています。この酵素の存在は、酸素毒性に対する耐性メカニズムの一部と考えられています。正しくは:Bacteroides fragilisはカタラーゼ陽性です。選びやすい理由:嫌気性菌は一般的にカタラーゼを持たないものが多いため、そう考えてしまう可能性があります。混同注意:一般的な嫌気性菌(カタラーゼ陰性菌)
- 4. 正解。Bacteroides fragilisはエスクリンを加水分解する能力を持っています。これはB. fragilisの重要な生化学的性状の一つであり、B. fragilis群の同定に利用されます。エスクリン加水分解により、エスクレチンとブドウ糖が生成され、エスクレチンは鉄イオンと反応して黒色沈殿を形成します。正しくは:正解のため修正不要です。選びやすい理由:生化学的性状に関する知識が曖昧だと判断が難しいかもしれません。混同注意:他の嫌気性菌の生化学的性状
- 5. Bacteroides fragilisはアミノグリコシド系抗菌薬に対して自然耐性を示すことが知られています。これは、アミノグリコシド系抗菌薬が酸素依存性の輸送系によって細菌細胞内に取り込まれるため、嫌気性環境下ではその作用が発揮されにくいためです。正しくは:Bacteroides fragilisはアミノグリコシド系抗菌薬に耐性を示します。選びやすい理由:アミノグリコシド系抗菌薬が広範囲のグラム陰性菌に有効であるという知識から、混同しやすいかもしれません。混同注意:アミノグリコシド系に感受性を示す好気性グラム陰性菌
国試ポイント
嫌気性菌であるBacteroides fragilisの主要な生化学的性状と薬剤耐性パターンに関する知識が問われています。特に同定に用いられる特徴や、一般的な嫌気性菌とは異なる性状(カタラーゼ陽性など)、臨床的に重要な薬剤耐性パターンを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
黒色色素産生菌(Prevotella, Porphyromonas)、インドール陽性菌(E. coli)、一般的な嫌気性菌のカタラーゼ活性(陰性)、一般的なグラム陰性菌のアミノグリコシド感受性。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、Bacteroides fragilis群に特徴的な生化学的性状(エスクリン加水分解、カタラーゼ陽性、インドール陰性)や薬剤感受性(アミノグリコシド耐性、ペニシリン耐性)を正確に識別できるかを確認します。
関連知識
嫌気性菌の分離・同定に用いられる培地(BBE培地など)、他の嫌気性菌(Clostridium属、Peptostreptococcus属など)の生化学的性状と臨床的意義、嫌気性菌感染症の治療薬。