喀痰のGram染色標本(別冊No. 16)を別に示す。顕微鏡による観察で、図中の細胞Aを48個/100倍1視野、細胞Bを5個/100倍1視野認めた。該当するGeckler分類はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
Geckler分類は、喀痰のGram染色標本を100倍(低倍率)1視野で観察し、扁平上皮細胞数と白血球(好中球)数で検体の品質を1〜6群に分けます。1群は扁平上皮細胞が25個を超え、白血球が10個未満で、唾液成分が多く下気道由来の成分に乏しい検体です。図中の細胞A(扁平上皮細胞)が48個/100倍1視野、細胞B(白血球)が5個/100倍1視野なので、1群に該当します(公式正答1)。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。扁平上皮細胞が25個を超え(48個)、白血球が10個未満(5個)なので1群です。正しくは:Geckler群1は、気管支由来の適切な検体であり、扁平上皮細胞が少ない(10個未満/低倍率視野)かつ白血球が多い(25個以上/低倍率視野)状態を示します。選びやすい理由:問題の選択肢はGeckler群の数字が明記されておらず、単に「Geckler群1」などと記載されているため、具体的な分類基準を把握していないと正答が難しいです。混同注意:Geckler分類の各群の定義、特に扁平上皮細胞と白血球の数の基準(低倍率視野での数)と、それらが「多い」「少ない」といった表現でどのように示されるかについて混同しやすいです。
- 2. 2群は扁平上皮細胞が25個を超え、白血球が10〜25個です。白血球5個では該当しません。正しくは:Geckler群2は、気管支由来の適切な検体であるが、白血球の数がGeckler群1より少ない状態を示します。選びやすい理由:Geckler群の各数値基準の組み合わせを正確に覚えていないと、誤って選択する可能性があります。混同注意:各群の扁平上皮細胞と白血球の数の閾値と、それらがどの群に該当するかの判断を混同しやすいです。
- 3. 3群は扁平上皮細胞・白血球とも25個を超えます。白血球5個では該当しません。正しくは:Geckler群3は、気管支由来の適切な検体であるが、白血球の数が少ない状態を示します。選びやすい理由:白血球の数が比較的少ない場合に、この群に当てはまるのではないかと推測してしまいがちです。混同注意:白血球の数が多いか少ないかの判断基準と、扁平上皮細胞の数との組み合わせを混同しやすいです。
- 4. 4群は扁平上皮細胞10〜25個、白血球25個超です。扁平上皮細胞48個では該当しません。正しくは:Geckler群4は、唾液の混入がややあるが、診断可能な程度に白血球が多い検体を示します。選びやすい理由:扁平上皮細胞の数が比較的多い場合、この群を選択してしまう可能性があります。混同注意:扁平上皮細胞と白血球の数の両方の基準を同時に考慮する際に、混乱しやすいです。
- 5. 5群は扁平上皮細胞10個未満、白血球25個超で、良質な検体です。本問の数値とは逆です。正しくは:Geckler群5は、唾液の混入が著しく、診断に適さない不適検体であることを示します。選びやすい理由:扁平上皮細胞の数が多いように見える場合に、直感的に不適検体であるGeckler群5を選んでしまう可能性があります。混同注意:Geckler群の各分類基準における扁平上皮細胞と白血球の具体的な閾値と、それらが検体の適・不適をどのように示すかについて混同しやすいです。
国試ポイント
喀痰のグラム染色標本における検体品質評価(Geckler分類)の理解が問われています。特に、扁平上皮細胞と白血球の数によって喀痰の質を判断する能力、およびそれが感染症診断においてなぜ重要なのかを理解しているかがポイントです。数値の具体的な基準を正確に記憶していることと、画像所見(細胞A, Bがそれぞれ何を指すか)を適切に判断できることが求められます。
混同注意
Geckler分類の各群の具体的な数値基準(扁平上皮細胞と白血球の閾値)と、それらを低倍率視野で評価する点、そして各群が示す検体の品質(適・不適)を混同しやすいです。特に、扁平上皮細胞が多い場合は唾液混入が疑われ、検体不適と判断されることが多いですが、問題の正答との矛盾に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出題された場合、Geckler分類の各群の基準(特に扁平上皮細胞と白血球の数)を正確に確認し、与えられた数値がどの群に当てはまるかを判断します。また、画像が提示されている場合は、画像中の細胞が扁平上皮細胞か白血球かを正確に識別する能力も必要です。ただし、本問題のように数値と正答に矛盾がある場合は、問題文の意図や特殊な定義を考慮する必要があるかもしれません。
関連知識
喀痰のグラム染色は、肺炎などの下気道感染症の起炎菌を推定するための重要な検査です。検体採取から検査結果の報告に至るまでの全プロセスにおいて、検体の品質管理が極めて重要であり、Geckler分類はその品質評価の標準的な方法の一つです。適切な検体でなければ、正しい診断につながらず、不適切な抗菌薬の使用につながるリスクがあります。