選択分離培地と目的菌の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
CIN寒天培地はYersinia属菌(特にYersinia enterocolitica)を選択的に分離するための培地であり、特徴的な集落を形成します。この組み合わせが正しいです。他の選択肢は、示された培地と目的菌の組み合わせが誤っています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。CIN寒天培地は、腸管系病原細菌であるYersinia enterocolitica(エルシニア・エンテロコリチカ)などのYersinia属菌を選択的に分離・培養するために使用されます。特徴的な『bull's eye』集落を形成します。
- 2. DHL寒天培地は主にサルモネラ属菌やシゲラ属菌といった腸内細菌科の病原菌の分離に用いられます。正しくは:Campylobacter属菌の分離には、CCDA培地やSkirrow培地、Butzler培地などが用いられます。選びやすい理由:DHL培地も腸管系病原菌の分離に用いられるため、選択肢として紛らわしく感じるかもしれません。混同注意:DHL培地とCampylobacter属菌の特異的な分離培地(例:CCDA、Skirrow)
- 3. NAC寒天培地は、主にPseudomonas aeruginosa(緑膿菌)などのPseudomonas属菌を選択的に分離・培養するために使用されます。正しくは:Shigella属菌の分離には、SS寒天培地やMacConkey寒天培地、DHL寒天培地などが用いられます。選びやすい理由:NAC培地も特定の菌の選択分離培地であるため、誤って結びつけてしまう可能性があります。混同注意:NAC培地とShigella属菌の分離培地(例:SS、MacConkey)
- 4. Skirrow寒天培地は、Campylobacter属菌の選択分離に用いられる培地です。正しくは:Legionella属菌の分離には、BCYEα寒天培地が用いられます。選びやすい理由:どちらも特定の細菌の分離に用いられる培地ですが、対象菌が異なります。混同注意:Skirrow培地とLegionella属菌の分離培地(BCYEα)
- 5. WYOα寒天培地は、主にLegionella属菌(特にLegionella pneumophila)を選択的に分離・培養するために用いられます。正しくは:Pseudomonas属菌の分離には、NAC寒天培地やCET寒天培地などが用いられます。選びやすい理由:WYOα培地も特定の菌の分離培地であるため、他の菌と結びつけてしまう可能性があります。混同注意:WYOα培地とPseudomonas属菌の分離培地(NAC、CET)
国試ポイント
臨床微生物検査において、主要な病原細菌の選択分離培地の名称と、それが分離を目的とする菌種を正確に理解しているかを問う問題です。特に、腸管系病原菌や特定の感染症起因菌の分離培地は頻出です。
混同注意
多くの選択分離培地が存在するため、それぞれの培地がどの菌種に特異的であるかを混同しやすいです。特に、腸管系病原菌を対象とする培地や、呼吸器系感染症の起因菌を対象とする培地は注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後も主要な病原菌と選択分離培地の組み合わせは問われる可能性が高いです。特に、国家試験で頻繁に取り上げられる感染症(食中毒、呼吸器感染症など)の起因菌とその培地に注目して学習を進めましょう。また、特徴的な集落像を示す培地も重要です。
関連知識
SS寒天培地(Salmonella, Shigella)、MacConkey寒天培地(腸内細菌科)、TCBS寒天培地(Vibrio)、BCYEα寒天培地(Legionella)、CHAB培地(Campylobacter)、BCP培地(ブドウ球菌、大腸菌鑑別)など。