皮膚のH-E染色標本(別冊No. 6)を別に示す。矢印に示す褐色顆粒を染色する染色法はどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
下図の皮膚標本で示される褐色顆粒はメラニンであり、メラニンを特異的に検出する染色法としてSchmorl反応(青緑色)とMasson-Fontana染色(黒色)が挙げられます。Kossa反応はカルシウム、SudanⅢ染色は脂肪、Berlinblue染色は鉄(ヘモジデリン)を検出するため、本問のメラニン染色には不適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. Kossa反応はカルシウムを検出する染色法です。下図の顆粒はメラニンであり、カルシウムではありません。正しくは:メラニンを染色するMasson-Fontana染色やSchmorl反応などが適切です。選びやすい理由:褐色の顆粒が病理的な沈着物に見えるため、カルシウム沈着と誤解される可能性があります。混同注意:石灰化とメラニン沈着を混同する可能性があります。メラニンは通常、均一な褐色ですが、カルシウム沈着はより不均一で、時に青みがかって見えることがあります(H-E染色の場合)。
- 2. SudanⅢ染色は脂肪成分を検出する染色法です。下図の顆粒はメラニンであり、脂肪ではありません。正しくは:メラニンを染色するMasson-Fontana染色やSchmorl反応などが適切です。選びやすい理由:脂肪滴やリポフスチンなど、他の顆粒状物質と混同しやすいかもしれません。混同注意:脂肪滴やリポフスチン顆粒とメラニン顆粒を混同する可能性があります。リポフスチンは褐色ですが、SudanⅢで染まることがあり、鑑別が必要です。
- 3. 正解。Schmorl反応は、還元性を持つ物質(メラニン、リポフスチンなど)を検出する染色法で、メラニンを青緑色に染め出します。したがって、皮膚のH-E染色標本における褐色顆粒がメラニンである場合、この染色法で検出可能です。選びやすい理由:他の選択肢と比べて、メラニンの染色法として比較的知名度が低いかもしれませんが、覚えておくべき重要項目です。
- 4. Berlinblue染色は鉄(特にフェリチンやヘモジデリンなどのFe3+)を検出する染色法です。下図の顆粒はメラニンであり、鉄沈着ではありません。正しくは:メラニンを染色するMasson-Fontana染色やSchmorl反応などが適切です。選びやすい理由:ヘモジデリン沈着も褐色顆粒として観察されることがあり、混同されやすいです。混同注意:ヘモジデリン顆粒とメラニン顆粒を混同する可能性があります。両者ともH-E染色では褐色に見えますが、Berlinblue染色の陽性/陰性で鑑別できます。
- 5. 正解。Masson-Fontana染色は、メラニンやアルギロフィル顆粒を特異的に染め出す染色法です。メラニンは銀塩を還元して黒色に染まります。下図の褐色顆粒がメラニンである場合、この染色法で確実に検出できます。選びやすい理由:メラニン染色の代表的な方法として最も広く知られているため、選びやすい選択肢です。
国試ポイント
病理組織学検査における各種特殊染色とその対象物質の組み合わせを正確に理解しているかが問われています。特に、H-E染色で褐色に見える物質(メラニン、ヘモジデリン、リポフスチンなど)の鑑別が重要です。
混同注意
メラニン、ヘモジデリン、リポフスチン、セロイド、ホルマリン色素など、H-E染色で褐色に見える顆粒状物質の鑑別が非常に重要です。それぞれの顆粒に対応する特殊染色(Masson-Fontana染色、Schmorl反応、Berlinblue染色、PAS染色、Sudan染色など)を正確に覚えておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
H-E染色で観察される様々な顆粒状物質(特に褐色顆粒)が何を指し、それぞれどの特殊染色で区別できるかを再確認しましょう。特に、鑑別が難しいリポフスチンとメラニンの違いや、ヘモジデリンとの鑑別点を押さえることが重要です。
関連知識
メラニンは皮膚や毛髪の色素であり、メラノサイトによって産生されます。良性病変では色素性母斑(ほくろ)、悪性病変では悪性黒色腫などで過剰なメラニン沈着が見られます。特殊染色による鑑別は、これら疾患の診断に不可欠です。