凍結切片作製法で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
凍結切片作製法(クリオスタット法)では、凍結した組織をクリオスタット内で薄切します。薄切温度は組織の硬さや種類によって調整されますが、一般的に−15℃から−25℃、特に−20℃前後が多くの組織で良好な切片を得るのに適した温度です。この温度帯で組織が適切な硬さを保ち、均一な薄切が可能になります。
選択肢ごとの解説
- 1. 凍結切片作製法では、組織をパラフィンではなくOCTコンパウンドなどの凍結包埋剤に包埋して凍結します。パラフィン包埋は通常のHE染色などの標本作製法で用いられます。正しくは:凍結包埋剤(OCTコンパウンドなど)に包埋する。選びやすい理由:病理組織標本の作製法としてパラフィン包埋法が一般的であるため、混同しやすい。混同注意:パラフィン包埋法
- 2. 凍結切片作製法では、酵素活性や脂質を保持するため、一般的に凍結前にアルコール固定は行いません。固定を行う場合は、ホルマリンなどの固定液が用いられることが多いですが、迅速性を優先するため無固定で凍結することも多いです。正しくは:凍結前に固定を行わないか、またはホルマリンで固定する。選びやすい理由:通常の病理組織検査では固定が必須工程であるため、凍結切片でも固定すると誤解しやすい。混同注意:ホルマリン固定
- 3. 凍結切片作製法は、脂質を温存したい場合に特に有用な方法です。そのため、脂肪組織であっても固定後の脱脂は行いません。脱脂はパラフィン包埋法の一部として行われることがあります。正しくは:脂肪組織は脱脂を行わない。選びやすい理由:通常の組織処理過程で脱水・透徹の段階で脱脂が行われることがあるため、その知識と混同しやすい。混同注意:通常のパラフィン包埋法の脱水・透徹過程
- 4. ブロックに息をかけると、呼気に含まれる水分が凍結して組織表面に霜が付着し、薄切が困難になったり、アーチファクトの原因となったりします。薄切は一定の低温環境下で行うべきです。正しくは:ブロックに息をかけず、常に適切な薄切温度を保つ。選びやすい理由:薄切がしにくい場合に、温めることで一時的に軟らかくなるという直感的な発想。混同注意:日常的な「温めることで硬いものを柔らかくする」という経験
- 5. 正解。凍結切片作製法において、多くの組織では−15℃から−25℃、特に−20℃前後が適切な薄切温度とされています。この温度で組織は適切な硬さを保ち、良好な切片が薄切できます。
国試ポイント
凍結切片作製法の基本的な手順と適切な条件を覚える。特に薄切温度は重要。
混同注意
凍結切片法とパラフィン包埋法の違い、それぞれの前処理・薄切条件の区別。
次に同じ論点が出たら
凍結切片作製法に関する問題では、薄切温度、固定の有無、包埋剤の種類、および迅速性・酵素活性保存の目的といったキーワードに注目して判断する。
関連知識
迅速診断を目的とする手術中の病理診断や、酵素活性を保持したい場合、脂質を温存したい場合に凍結切片法が用いられること。凍結アーチファクトの防止策。