免疫組織化学で内因性ペルオキシダーゼの失活に用いるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
免疫組織化学において、内因性ペルオキシダーゼは、目的とする抗原抗体反応以外の部位に発色を招き、偽陽性となる原因となります。これを防ぐために、内因性ペルオキシダーゼの活性を失活させる前処理が必要です。一般的に、この目的で使用されるのは、過酸化水素(最も一般的)と過ヨウ素酸です。過酸化水素はペルオキシダーゼを不活性化し、過ヨウ素酸は特に糖鎖を持つ酵素の酸化により活性を失わせます。トリプシンやプロテイナーゼは抗原賦活化に用いられ、正常動物血清は非特異的結合を防ぐブロッキング剤として用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. トリプシンは酵素抗体法において抗原賦活化に用いられることがありますが、内因性ペルオキシダーゼの失活には使用されません。正しくは:トリプシンは抗原賦活化に用いられる酵素です。選びやすい理由:酵素反応に関連する試薬として誤って選ばれる可能性があります。混同注意:ペルオキシダーゼ失活と抗原賦活化の目的が混同されることがあります。
- 2. 正解。過ヨウ素酸は、特に糖鎖部分を持つ酵素(例: 内因性ペルオキシダーゼ)の酸化により、酵素活性を失活させる目的で用いられます。これは、内因性ペルオキシダーゼの偽陽性反応を防ぐために有効です。選びやすい理由:ペルオキシダーゼ失活剤として頻繁に使用されるため、正しい選択肢です。
- 3. 正解。過酸化水素は、内因性ペルオキシダーゼの活性を阻害する最も一般的な試薬の一つです。過酸化水素の酸化作用により、内因性ペルオキシダーゼが不活性化され、非特異的な染色を防ぎます。選びやすい理由:免疫組織化学における内因性ペルオキシダーゼ失活剤として非常によく知られており、正しい選択肢です。
- 4. 正常動物血清は、非特異的な結合を低減するためにブロッキング剤として使用されますが、内因性ペルオキシダーゼの活性を失活させる作用はありません。正しくは:正常動物血清は非特異的結合を阻害するためのブロッキング剤です。選びやすい理由:非特異反応の抑制という点で免疫組織化学の他のステップと混同される可能性があります。混同注意:ペルオキシダーゼ失活とブロッキングの役割が混同されやすいです。
- 5. プロテイナーゼ(プロテアーゼ)は抗原賦活化に用いられることがありますが、内因性ペルオキシダーゼの失活には使用されません。むしろ、酵素そのものであるペルオキシダーゼを分解してしまう可能性があります。正しくは:プロテイナーゼは抗原賦活化に用いられる酵素です。選びやすい理由:酵素の一種であるため、他の酵素反応に関連すると誤解されることがあります。混同注意:ペルオキシダーゼ失活と抗原賦活化の目的が混同されることがあります。
国試ポイント
免疫組織化学における前処理の目的と、各試薬が果たす具体的な役割について正確な知識が問われています。特に、内因性酵素の失活、抗原賦活化、非特異的結合の抑制の3つの主要な前処理と、それぞれに使用される代表的な試薬を区別できるかが重要です。
混同注意
抗原賦活化に用いられる酵素(トリプシン、プロテイナーゼなど)や、非特異的結合を抑制するブロッキング剤(正常動物血清など)と、内因性ペルオキシダーゼ失活剤との混同。それぞれの目的と試薬を明確に区別することが必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、免疫組織化学における各ステップ(固定、抗原賦活化、ブロッキング、内因性酵素失活)で使用される代表的な試薬とその機能を正確に識別できるかを確認します。
関連知識
免疫組織化学の主要なステップ(組織固定、包埋、薄切、脱パラフィン・水和、内因性酵素失活、抗原賦活化、ブロッキング、一次抗体反応、二次抗体反応、発色、対比染色、封入)と、それぞれのステップで用いられる代表的な試薬や方法。特に、HRP (Horse Radish Peroxidase) 標識抗体を用いる場合の注意事項。