病理解剖において臨床検査技師が行える業務はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
病理解剖において、臨床検査技師は医師の指示のもと、解剖補助業務を行うことが可能です。遺体の縫合は、解剖後の処置であり、医療補助行為として臨床検査技師が行える業務範囲に含まれます。一方で、承諾取得、遺族への説明、単独での執刀、報告書作成といった、医学的判断や法的責任を伴う核心的な業務は医師の専権事項です。
選択肢ごとの解説
- 1. 病理解剖の承諾取得は、通常、医師(主治医や病理医)が遺族に対して行います。これは、解剖の必要性や目的、方法、リスクなどを十分に説明し、遺族の理解と同意を得るという、専門的な医学的判断と倫理的配慮を要する業務だからです。正しくは:医師が遺族から解剖承諾書を取得する。選びやすい理由:承諾書という書類作業の一部に感じるかもしれないが、説明と同意のプロセスが重要。混同注意:書類作成や管理業務と混同する可能性がある。
- 2. 正解。病理解剖後の遺体の縫合は、解剖によって開腹・開胸された部位を閉じ、遺体を原状に近づけるための処置です。これは医療補助行為にあたり、医師の指示のもと、臨床検査技師を含む医療従事者が行うことが可能です。特に、病理解剖では病理医の指示のもと、臨床検査技師が解剖補助として多くの役割を担います。選びやすい理由:侵襲的な処置に思えるが、これはあくまで解剖後の処置であり、執刀とは異なる。混同注意:解剖そのものの執刀と混同する可能性がある。
- 3. 病理解剖の結果説明は、医学的な専門知識に基づいて、病理診断や死因、病態の進行などを遺族に伝える非常に重要な業務です。これは、医師(病理医または主治医)が直接行うべきであり、臨床検査技師が単独で行うことはできません。正しくは:医師が遺族に解剖結果を説明する。選びやすい理由:病理解剖のプロセスに関与するため、結果説明もできると思ってしまうかもしれない。混同注意:病理解剖に関する情報提供と混同する可能性がある。
- 4. 病理解剖の執刀は、病理診断を下すために臓器を摘出し、病変を観察・採取する行為であり、高度な医学的知識と技術、そして医師免許が必要です。臨床検査技師は医師の監督・指示のもとで解剖の補助を行うことはできますが、単独で執刀することはできません。正しくは:医師(病理医)が執刀する。選びやすい理由:病理解剖に深く関わるため、執刀も行えると誤解するかもしれない。混同注意:解剖補助業務と執刀業務を混同する可能性がある。
- 5. 病理解剖報告書は、病理診断の最終的な判断や死因の特定など、医学的・法的に重要な内容を記載する文書です。この報告書は、病理医が作成し、その責任において署名します。臨床検査技師は、報告書作成のためのデータ収集や整理に協力することはありますが、報告書そのものの作成責任者となることはできません。正しくは:医師(病理医)が病理解剖報告書を作成する。選びやすい理由:検査結果の報告書を作成する業務と似ていると感じるかもしれないが、内容の重みが異なる。混同注意:検査レポートの作成業務と病理解剖報告書の作成を混同する可能性がある。
国試ポイント
臨床検査技師の業務範囲を正しく理解しているか、特に医療行為における補助業務と医師の専権業務の区別を問う問題です。病理解剖という特定のシチュエーションで、どこまでが技師の役割であるかを判断する能力が求められます。
混同注意
臨床検査技師が実施可能な「医療補助行為」と、医師のみに許される「医行為」の区別。特に解剖後の処置と解剖自体の執刀。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各医療従事者(医師、看護師、臨床検査技師など)の法定業務範囲、特に「医師の指示の下に行うことができる行為」と「単独で行うことができない行為」の境界線が問われる可能性が高い。また、特定行為研修を修了した看護師など、業務範囲が拡大している職種との比較も考えられる。
関連知識
臨床検査技師等に関する法律(業務範囲)、医療法(医行為の定義)、死体解剖保存法(病理解剖の手続き)、病理解剖の実際の手順と各職種の役割。