Streptococcus属について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
S. agalactiaeは馬尿酸加水分解酵素を産生し陽性を示します。S. pneumoniaeはオプトヒン感受性試験で陽性を示します。これらはそれぞれの菌の重要な同定・鑑別指標です。
選択肢ごとの解説
- 1. S. mitisは胆汁溶解試験では陰性です。陽性を示すのは主にS. pneumoniaeです。正しくは:S. mitisは胆汁溶解試験で陰性反応を示す。選びやすい理由:Streptococcus属の同定試験として胆汁溶解試験があるため、この試験と関連があるかのように見える。混同注意:S. pneumoniaeの特性と混同しやすい。
- 2. S. pyogenesはLancefieldのA群抗原を有しています。G群抗原を持つのはS. dysgalactiae subsp. equisimilisなどです。正しくは:S. pyogenesはLancefieldのA群抗原を持っている。選びやすい理由:Lancefield分類がStreptococcus属の重要な分類法であり、S. pyogenesがその代表菌であるため、何らかの群抗原を持つことは正しいと思いやすい。混同注意:S. pyogenesがA群であることを忘れ、G群という別の群抗原と混同しやすい。また、G群溶連菌も臨床的に重要であるため、G群という選択肢自体がもっともらしく感じられる。
- 3. 正解。S. agalactiae(B群溶血連鎖球菌)は、馬尿酸加水分解酵素を産生し、馬尿酸加水分解試験で陽性を示す特徴があります。これはB群溶連菌の重要な同定指標の一つです。混同注意:他のStreptococcus属の同定試験と混同すること。
- 4. 正解。S. pneumoniae(肺炎球菌)はオプトヒン(エチルハイドロクプレイン塩酸塩)に対して感受性を示し、オプトヒン感受性試験で陽性(発育阻止円を形成)となります。これは肺炎球菌の重要な同定指標です。混同注意:他のStreptococcus属のオプトヒン非感受性株と混同すること。
- 5. S. dysgalactiae subsp. equisimilisはCAMP試験では通常陰性です。CAMP試験陽性を示すのはS. agalactiae(B群溶連菌)です。正しくは:S. dysgalactiae subsp. equisimilisはCAMP試験で陰性を示す。選びやすい理由:Streptococcus属の代表的な同定試験の一つであるCAMP試験の名前が出てくるため、もっともらしく見える。また、S. dysgalactiae subsp. equisimilisがベータ溶血を示すことがあり、溶血性を示す菌とCAMP試験を関連付けてしまいやすい。混同注意:CAMP試験陽性であるS. agalactiaeの特性と混同しやすい。
国試ポイント
Streptococcus属の主要な病原菌(S. pyogenes, S. agalactiae, S. pneumoniaeなど)の、Lancefield分類群抗原、溶血性、および各菌種に特異的な生化学的性状や感受性試験(胆汁溶解試験、オプトヒン感受性試験、CAMP試験、馬尿酸加水分解試験など)を正確に理解しているかが問われています。特に、どの菌がどの試験で陽性/陰性を示すか、組み合わせを記憶しておくことが重要です。
混同注意
各Streptococcus属菌の同定試験の結果(陽性/陰性)が非常に混同しやすい。特に、胆汁溶解試験とオプトヒン感受性がS. pneumoniae、CAMP試験と馬尿酸加水分解がS. agalactiaeという関係性を誤って覚えている受験生が多い。また、Lancefield分類の各群に属する代表菌も混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、Streptococcus属だけでなく、Staphylococcus属や腸内細菌科など、他の重要な細菌群についても、主要菌種の同定・鑑別試験の特性を問われる可能性があるため、各菌の重要な同定ポイントを網羅的に確認する必要がある。
関連知識
Streptococcus属の分類、溶血性(α、β、γ溶血)、Lancefield分類(A, B, C, D, Gなど)、各群および主要菌種の臨床的意義、およびそれぞれの同定に用いられる各種生化学的・物理化学的試験の原理と結果。