基質拡張型β-ラクタマーゼ〈ESBL〉産生菌の薬剤感受性検査で感性を示す抗菌薬はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ESBLはペニシリン系やセファロスポリン系、およびアズトレオナムなどのβ-ラクタム系抗菌薬を加水分解しますが、カルバペネム系抗菌薬(イミペネム、メロペネムなど)はESBLの加水分解を受けにくいため、ESBL産生菌に対して感受性を示すことが多いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。イミペネムはカルバペネム系抗菌薬であり、ESBLはカルバペネム系抗菌薬を分解しません。そのため、ESBL産生菌に対しても有効性が期待され、感受性を示すことが多いです。
- 2. セファゾリンは第一世代のセファロスポリン系抗菌薬であり、ESBLはセファロスポリン系抗菌薬を加水分解するため、ESBL産生菌には効果がありません。正しくは:ESBL産生菌に対しては、セファゾリンは分解され効果がないため、感性を示すことは稀です。選びやすい理由:一般的なグラム陽性菌に広く使用されるため、有効と誤解する可能性がありますが、ESBL産生菌には効きません。混同注意:広域スペクトラムを持つ他の抗菌薬と混同しやすいですが、ESBLに対する特異的な耐性機序を理解する必要があります。
- 3. アズトレオナムはモノバクタム系抗菌薬であり、ESBLによって加水分解されるため、ESBL産生菌には効果がありません。正しくは:ESBLはアズトレオナムを加水分解するため、ESBL産生菌に対しては耐性を示します。選びやすい理由:グラム陰性菌に特異的に効果を発揮するため、ESBL産生菌にも有効と誤解しやすいですが、ESBLの標的となります。混同注意:カルバペネム系抗菌薬とは異なる作用機序を持ちますが、ESBLによる分解の標的となる点で共通の誤解を生みやすいです。
- 4. セフォタキシムは第三世代のセファロスポリン系抗菌薬であり、ESBLはセファロスポリン系抗菌薬を広範に加水分解するため、ESBL産生菌には効果がありません。正しくは:ESBLはセフォタキシムを含む第三世代セファロスポリン系抗菌薬を分解するため、ESBL産生菌は耐性を示します。選びやすい理由:グラム陰性菌感染症によく用いられるため、ESBL産生菌にも有効と誤解する可能性がありますが、ESBLの分解対象です。混同注意:通常のβ-ラクタマーゼには耐性を持つものの、ESBLの標的となるため、その違いを混同しやすいです。
- 5. ベンジルペニシリンはペニシリン系抗菌薬であり、ESBLはペニシリン系抗菌薬も加水分解するため、ESBL産生菌には効果がありません。正しくは:ESBLはベンジルペニシリンを加水分解するため、ESBL産生菌は耐性を示します。選びやすい理由:基本的な抗菌薬であるため、特定の耐性機序を理解していないと有効と誤解する可能性があります。混同注意:ペニシリン耐性ブドウ球菌に対するMRSAとの違いなど、様々な耐性菌と抗菌薬の関係を混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、基質拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌の薬剤感受性について、どの抗菌薬が有効であるかを理解しているかを確認しています。特に、ESBLが分解するβ-ラクタム系抗菌薬の種類と、分解しないカルバペネム系抗菌薬との区別が重要です。
混同注意
ESBLは通常のβ-ラクタマーゼよりも広範なスペクトラムを持つため、その分解能の範囲を誤解しやすいです。特に、セファマイシン系やカルバペネム系との違いが混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
ESBL産生菌の治療選択肢が問われた場合、カルバペネム系抗菌薬が第一選択であることを想起できるか。また、ESBLが分解する具体的な薬剤群を正確に挙げられるか。
関連知識
ESBLの検出方法(ディスク拡散法でのセフォタキシム/セフタジジムとクラブラン酸の併用効果)、他の主要な耐性菌(MRSA, VREなど)とその主要な耐性機序および治療薬についても関連知識として問われる可能性があります。