Vibrio属でTCBS寒天培地に青緑色コロニーを形成するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
TCBS寒天培地はVibrio属菌の選択分離培地であり、ショ糖とブロモチモールブルーなどのpH指示薬を含みます。ショ糖を分解する菌は酸を産生し、pH指示薬が黄色に変化するため黄色コロニーを形成します。一方、ショ糖を分解しない菌は酸を産生しないため、培地のアルカリ性が保たれ、pH指示薬が青緑色のままで青緑色コロニーを形成します。Vibrio parahaemolyticusとVibrio mimicusはショ糖非分解性であり、青緑色コロニーを形成します。Vibrio cholerae, Vibrio alginolyticus, Vibrio fluvialisはショ糖分解性であり、黄色コロニーを形成します。
選択肢ごとの解説
- 1. V. alginolyticusはTCBS寒天培地でショ糖を分解するため、黄色のコロニーを形成します。正しくは:V. alginolyticusは黄色のコロニーを形成します。選びやすい理由:Vibrio属であるため、TCBS培地で増殖することは知っているが、ショ糖分解性の違いを混同しやすい。混同注意:V. parahaemolyticus(ショ糖非分解、青緑色)やV. mimicus(ショ糖非分解、青緑色)と混同しやすい。
- 2. V. choleraeはTCBS寒天培地でショ糖を分解するため、黄色のコロニーを形成します。正しくは:V. choleraeは黄色のコロニーを形成します。選びやすい理由:Vibrio属の代表的な菌種であり、知識の引き出しからまず選択肢として検討されやすい。ショ糖分解性の違いをうっかり見落としがち。混同注意:V. parahaemolyticus(ショ糖非分解、青緑色)やV. mimicus(ショ糖非分解、青緑色)と混同しやすい。
- 3. V. fluvialisはTCBS寒天培地でショ糖を分解するため、黄色のコロニーを形成します。正しくは:V. fluvialisは黄色のコロニーを形成します。選びやすい理由:Vibrio属菌としてTCBS培地で増殖するが、ショ糖分解性の知識が不確かだと誤って選んでしまう可能性がある。混同注意:V. parahaemolyticus(ショ糖非分解、青緑色)やV. mimicus(ショ糖非分解、青緑色)と混同しやすい。
- 4. 正解。V. mimicusはTCBS寒天培地に含まれるショ糖を分解しないため、培地のpH指示薬が酸性に傾かず、アルカリ性のままで青緑色のコロニーを形成します。
- 5. 正解。V. parahaemolyticusはTCBS寒天培地に含まれるショ糖を分解しないため、培地のpH指示薬が酸性に傾かず、アルカリ性のままで青緑色のコロニーを形成します。
国試ポイント
TCBS寒天培地におけるVibrio属菌のコロニー性状(特にショ糖分解性による色の違い)を問う問題です。主要なVibrio属菌のショ糖分解性の知識が求められます。
混同注意
ショ糖分解性の有無によってコロニーの色(黄色か青緑色か)が異なるため、各Vibrio属菌のショ糖分解性を正確に覚えていないと混同しやすいです。特にV. cholerae(黄色)とV. parahaemolyticus(青緑色)は代表的であり、誤解しやすいペアです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まずTCBS寒天培地の原理(ショ糖分解とコロニー色の関係)を思い出し、次に各Vibrio属菌がショ糖を分解するか否かを確認する。V. cholerae, V. alginolyticus, V. fluvialisはショ糖分解性(黄色)、V. parahaemolyticus, V. mimicusはショ糖非分解性(青緑色)と覚える。
関連知識
TCBS寒天培地の組成(チオ硫酸ナトリウム、胆汁酸塩、ショ糖、pH指示薬)、Vibrio属菌の一般的な性状(好塩性、通性嫌気性など)、他の選択培地と各菌種の性状。