赤芽球の鉄染色標本の模式図(別冊No. 9)を別に示す。環状鉄芽球はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
環状鉄芽球は、その名の通り、赤芽球の核の周囲を2/3以上取り囲む形で、過剰な鉄顆粒が異常に沈着している細胞を指します。鉄染色(ベルリン青染色)で青色に染まる顆粒として観察されます。模式図cは、この特徴を最もよく表しています。
選択肢ごとの解説
- 1. aは正常な鉄顆粒を持つ赤芽球を示しています。鉄顆粒は核の周囲に集中しておらず、数も過剰ではありません。正しくは:環状鉄芽球は、核の周囲を2/3以上取り囲む過剰な鉄顆粒を持つ赤芽球です。選びやすい理由:鉄顆粒が見られるため、環状鉄芽球と誤認する可能性がありますが、その分布と量が特徴ではありません。混同注意:正常な鉄顆粒と環状鉄芽球の顆粒分布を混同しやすいです。
- 2. bは鉄顆粒がほとんど、あるいは全く見られない赤芽球を示しています。これは鉄欠乏性貧血などで見られる所見です。正しくは:環状鉄芽球は、核の周囲を2/3以上取り囲む過剰な鉄顆粒を持つ赤芽球です。選びやすい理由:鉄顆粒がない状態も貧血に関連するため、何らかの異常と捉えがちですが、環状鉄芽球の特徴ではありません。混同注意:正常な赤芽球や鉄欠乏性貧血の赤芽球と混同しやすいです。
- 3. 正解。cは、赤芽球の核を取り囲むように(核周囲の2/3以上を占めるように)過剰な鉄顆粒が分布している特徴を示しており、環状鉄芽球の典型的な形態です。
- 4. dは鉄顆粒の数が少ない、または不規則に散在している状態を示しており、環状鉄芽球の定義を満たしていません。核の周囲を2/3以上取り囲んでいません。正しくは:環状鉄芽球は、核の周囲を2/3以上取り囲む過剰な鉄顆粒を持つ赤芽球です。選びやすい理由:鉄顆粒が複数見られるため、環状鉄芽球と誤解するかもしれませんが、分布のパターンが異なります。混同注意:正常な鉄顆粒を持つ赤芽球や、鉄の取り込み異常があるが環状鉄芽球の基準を満たさないものと混同しやすいです。
- 5. eは、鉄顆粒が核から離れて細胞質の辺縁に存在しているか、または不規則な分布を示しており、環状鉄芽球の診断基準である『核周囲を2/3以上取り囲む』という条件を満たしていません。正しくは:環状鉄芽球は、核の周囲を2/3以上取り囲む過剰な鉄顆粒を持つ赤芽球です。選びやすい理由:鉄顆粒は存在するため、何らかの鉄代謝異常と捉えるかもしれませんが、環状鉄芽球の形態ではありません。混同注意:鉄顆粒をどこに見ても環状鉄芽球と誤解する可能性があります。
国試ポイント
環状鉄芽球の形態学的特徴と、それが現れる疾患(骨髄異形成症候群や鉄芽球性貧血など)の理解が問われています。特に、鉄染色標本における鉄顆粒の分布(核を取り囲む、核周囲の2/3以上)を正確に識別できるかが重要です。
混同注意
通常の鉄顆粒を持つ赤芽球(核の周囲に集中していない、過剰でない)、鉄欠乏性貧血の赤芽球(鉄顆粒がない)、または少数の鉄顆粒を持つが環状でない赤芽球と混同しやすいです。重要なのは『環状』という特徴的な分布と『過剰』な量です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、環状鉄芽球が出現する疾患、鉄染色以外の関連する検査所見(例:血清鉄、フェリチン、TIBC、ヘモグロビン合成異常)、または環状鉄芽球の発生機序(ヘム合成酵素の異常など)を問う問題が出る可能性があります。
関連知識
環状鉄芽球は、遺伝性または後天性の鉄芽球性貧血、特に骨髄異形成症候群(MDS)における環状鉄芽球を伴うMDS-RSの診断基準の一つです。ヘム合成経路の異常により、ミトコンドリア内で鉄が消費されずに蓄積することで生じます。この知識は血液検査技師として不可欠です。