過分葉好中球が認められる欠乏症はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ビタミンB12欠乏症(悪性貧血など)や葉酸欠乏症では、DNA合成障害により赤芽球の成熟異常(巨赤芽球)が生じます。この影響は好中球にも及び、核の分節が異常に進んだ過分葉好中球が末梢血塗抹標本で観察されるのが特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. ビタミンB1(チアミン)欠乏症は脚気やウェルニッケ・コルサコフ症候群を引き起こし、神経系や心血管系に影響しますが、過分葉好中球とは直接関連しません。正しくは:ビタミンB1欠乏症では過分葉好中球は認められません。選びやすい理由:ビタミンB群の他の欠乏症も血液疾患に関連するため、混同する可能性があります。混同注意:ビタミンB12欠乏症と混同しやすいですが、B1は神経症状が主です。
- 2. ビタミンB6(ピリドキシン)欠乏症は小球性貧血、皮膚炎、神経症状などを引き起こしますが、過分葉好中球とは関連しません。正しくは:ビタミンB6欠乏症では過分葉好中球は認められません。選びやすい理由:ビタミンB群の他の欠乏症も血液疾患に関連するため、混同する可能性があります。混同注意:ビタミンB12欠乏症と混同しやすいですが、B6欠乏症による貧血は小球性です。
- 3. 正解。ビタミンB12(コバラミン)欠乏症は、DNA合成障害を来す巨赤芽球性貧血の原因となります。この際、赤血球だけでなく白血球(特に好中球)の成熟も障害され、核の分葉が進みきらずに過分葉好中球として観察されます。
- 4. ビタミンC(アスコルビン酸)欠乏症は壊血病を引き起こし、コラーゲン合成不全による出血傾向や創傷治癒遅延などが主症状ですが、過分葉好中球とは直接関連しません。正しくは:ビタミンC欠乏症では過分葉好中球は認められません。選びやすい理由:ビタミン欠乏症全般への漠然とした知識から、誤って選択することがあります。混同注意:出血傾向を伴う疾患と混同しやすいですが、ビタミンB12欠乏症とは病態が異なります。
- 5. ビタミンK欠乏症は血液凝固因子の活性化不全により出血傾向を引き起こしますが、過分葉好中球とは関連しません。正しくは:ビタミンK欠乏症では過分葉好中球は認められません。選びやすい理由:出血傾向を伴う疾患の選択肢として誤って選択することがあります。混同注意:ビタミンB12欠乏症による貧血とは直接的な関連が薄いです。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、特定の血液形態異常と関連する疾患や栄養素欠乏症を正確に結びつける知識が頻繁に問われます。特に、巨赤芽球性貧血の診断マーカーとしての過分葉好中球は重要です。
混同注意
葉酸欠乏症もビタミンB12欠乏症と同様に巨赤芽球性貧血と過分葉好中球を来すため、混同しやすいですが、両者ともDNA合成障害が原因です。他のビタミンB群欠乏症(B1、B6など)は異なる症状を示すため、鑑別が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出題された場合は、単に過分葉好中球の有無だけでなく、他の血液学的所見(例:MCVの上昇、網状赤血球の減少)と組み合わせて診断できるか、また、欠乏症の鑑別(神経症状の有無など)まで問われる可能性があります。
関連知識
過分葉好中球は、巨赤芽球性貧血の診断における重要な所見の一つです。好中球の核が5分葉以上を示すものを指します。ビタミンB12と葉酸はDNA合成に不可欠であり、これらの欠乏は巨赤芽球性貧血を引き起こします。他のビタミン欠乏症による貧血は、通常、小球性や正球性貧血であり、過分葉好中球は認められません。