血糖測定用採血管に入っているNaFが阻害する酵素はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
血糖測定用採血管に用いられるNaF(フッ化ナトリウム)は、赤血球や白血球などによる解糖系でのグルコース消費を防ぐために添加されます。NaFは、解糖系の酵素であるエノラーゼの活性を特異的に阻害します。エノラーゼは2-ホスホグリセリン酸をホスホエノールピルビン酸に変換する酵素であり、この段階を阻害することで、採血後に検体中のグルコースが消費されて血糖値が低下するのを防ぎ、より正確な測定値を保つことができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。NaFはエノラーゼの活性を阻害することで、解糖系におけるグルコースの消費を停止させます。これにより、採血後の血糖値の変動を防ぎ、正確な測定が可能になります。
- 2. ヘキソキナーゼは解糖系の初期段階の酵素ですが、NaFの主な標的ではありません。正しくは:NaFはエノラーゼを阻害します。選びやすい理由:解糖系の重要な酵素であるため、関連していると誤解しやすいかもしれません。混同注意:他の解糖系酵素と混同しやすいです。
- 3. ピルビン酸キナーゼは解糖系の末期の酵素ですが、NaFが直接的に強く阻害する酵素ではありません。正しくは:NaFはエノラーゼを阻害します。選びやすい理由:解糖系の重要な律速酵素の一つであり、関連があるように思えるかもしれません。混同注意:他の解糖系酵素と混同しやすいです。
- 4. 乳酸デヒドロゲナーゼは解糖系の最終産物であるピルビン酸から乳酸への変換に関わる酵素であり、NaFの阻害対象ではありません。正しくは:NaFはエノラーゼを阻害します。選びやすい理由:解糖系の代謝物と関連が深いため、誤って選択しがちです。混同注意:解糖系の周辺代謝酵素と混同しやすいです。
- 5. グルコース-6-ホスファターゼは主に糖新生やグリコーゲン分解に関わる酵素であり、NaFが血糖測定時に阻害する対象ではありません。正しくは:NaFはエノラーゼを阻害します。選びやすい理由:グルコース代謝に関わる酵素であるため、関連があるように見えるかもしれません。混同注意:糖代謝全体の酵素と混同しやすいです。
国試ポイント
臨床検査において、検体の適切な保存方法と、そのために使用される添加剤の作用機序に関する知識が問われています。特に血糖測定におけるNaFの役割と、それが阻害する特異的な酵素について理解しているかが重要です。
混同注意
解糖系の他の酵素(ヘキソキナーゼ、ピルビン酸キナーゼなど)や、糖代謝に関わる他の酵素(グルコース-6-ホスファターゼなど)と混同しやすいです。NaFの作用がエノラーゼに特異的であることを正確に覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、他の検査項目における添加剤の役割(例: 凝固検査のクエン酸ナトリウム、血算のEDTA)や、それらが阻害・活性化する因子について問われる可能性があります。また、解糖系の他の律速段階酵素についても理解しているか確認する必要があります。
関連知識
血糖測定時の適切な採血管の選択、添加剤の種類(NaF、EDTA、ヘパリンなど)とその目的、それぞれの添加剤が関与する生化学的経路、解糖系の経路と主要酵素。