血糖コントロールの指標で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
アルブミンはヘモグロビンに比べてターンオーバーが速く、血中の半減期が短いため、より短期間の血糖変動を反映します。この速い代謝回転が糖化速度の速さに繋がります。
選択肢ごとの解説
- 1. HbA1cは赤血球中のヘモグロビンが糖化されたものであり、赤血球の寿命(約120日)に依存します。貧血があると赤血球の寿命が短縮したり、赤血球産生が亢進したりするため、HbA1cの値は変動します。正しくは:HbA1cの値は貧血の有無によって変動します。選びやすい理由:HbA1cが比較的安定した指標であるというイメージから、あらゆる状況で変動しないと誤解しやすい。混同注意:HbA1cが反映する血糖期間と、赤血球寿命の関係性。
- 2. HbA1cは赤血球の寿命(約120日)を反映し、過去1〜2か月の平均血糖値を示します。2週間ではありません。
- 3. グリコアルブミンは血清アルブミンが糖化されたものであり、アルブミンは主に肝臓で合成されます。肝硬変などの肝機能障害があると、アルブミンの合成能が低下し、血中アルブミン値やターンオーバーが影響されるため、グリコアルブミンの値も病態に影響されます。正しくは:グリコアルブミンの値は肝硬変の病態に影響されます。選びやすい理由:HbA1cに比べて肝機能の影響を受けないと考えてしまう誤解。混同注意:HbA1cとグリコアルブミンの主な影響因子(赤血球寿命 vs アルブミン代謝)。
- 4. 正解。アルブミンの半減期はヘモグロビンに比べて短く(約17日に対し約120日)、代謝回転が速いため、糖化される速度も速いです。この特性により、グリコアルブミンはHbA1cよりも短期的な血糖変動を反映します。
- 5. 1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)は、尿中に排泄されるブドウ糖の競合阻害物質であり、血糖値が正常範囲内であれば一定の血中濃度を保ちます。しかし、高血糖状態が続くと腎臓からのブドウ糖排泄量が増加し、1,5-AGの尿中排泄が促進されるため、血中濃度は低値を示します。正しくは:1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)は、高血糖状態が続くと低値を示します。選びやすい理由:高血糖状態と「高値」という言葉を結びつけてしまいやすい。マーカーが高値を示すことで悪い状態を反映するという一般的な理解から誤解しやすい。混同注意:血糖値と1,5-AGの血中濃度の関係性。
国試ポイント
糖尿病の血糖管理指標であるHbA1c、グリコアルブミン、1,5-AGの特性と、それぞれの指標が反映する期間や影響因子を理解することが重要です。
混同注意
HbA1cとグリコアルブミンが反映する期間、そしてそれぞれの指標が貧血や肝硬変といった病態によってどのように影響されるか。
次に同じ論点が出たら
血糖管理指標の問題が出た場合、各指標(HbA1c、グリコアルブミン、1,5-AG)が反映する期間、影響を受けやすい疾患、およびその測定原理を正確に判断します。
関連知識
HbA1cは過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映し、赤血球寿命に依存する。グリコアルブミンは過去2週間の平均血糖値を反映し、アルブミンの代謝に影響される。1,5-AGは直近数日間の血糖変動、特に食後高血糖の指標となる。