急性炎症で特徴的にみられる現象はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
急性炎症の病理学的特徴として、血管反応と細胞反応が挙げられます。血管反応では、血管拡張と血管透過性の亢進が起こり、血漿成分が血管外へ漏出します(滲出)。細胞反応では、主に好中球が炎症部位に浸潤し、細菌や壊死組織の処理を行います。これらは急性炎症の中心的かつ初期に現れる現象です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。急性炎症の初期段階において、損傷部位の血管から好中球が組織へ遊走し、浸潤することは非常に特徴的な細胞反応です。これは感染防御や壊死組織の除去に重要な役割を果たします。
- 2. リンパ球の浸潤は、主に慢性炎症において顕著に見られる現象です。急性炎症の初期段階では、リンパ球の浸潤は主要な特徴ではありません。正しくは:リンパ球の浸潤は慢性炎症の主要な細胞反応である。選びやすい理由:炎症反応の一種であるため、急性炎症でも何らかの形でリンパ球が関与すると考えがちですが、 '特徴的' な現象ではありません。混同注意:急性炎症の主要細胞である好中球と、慢性炎症の主要細胞であるリンパ球を混同しやすい。
- 3. 正解。急性炎症では、炎症部位の血管拡張と血管透過性亢進により、血漿中の液体成分(水分、タンパク質など)が血管外の組織間質へ漏れ出します(滲出)。これが炎症における腫脹(浮腫)の主な原因となります。
- 4. 組織構造の変化(リモデリングや破壊)は、炎症が長期化したり、組織の修復や線維化が進む過程で生じる現象であり、主に慢性炎症やその後の治癒過程で見られます。急性炎症の初期段階の直接的な特徴ではありません。正しくは:組織構造の変化は、慢性炎症や組織修復過程で見られる。選びやすい理由:炎症が組織にダメージを与えるという一般的な理解から、急性炎症でも組織構造の変化が起こると誤解しやすい。しかし、ここでいう『改変』は、より長期的なプロセスを指す。混同注意:炎症による組織傷害自体と、その後の修復や再構築という長期的なプロセスを混同しやすい。
- 5. 線維芽細胞の増殖は、炎症が沈静化し、組織の修復(瘢痕形成など)が始まる段階で活発になる現象であり、主に慢性炎症や治癒過程の特徴です。急性炎症の初期には主要な現象ではありません。正しくは:線維芽細胞の増殖は、慢性炎症や治癒過程で活発になる。選びやすい理由:炎症後の組織修復に線維芽細胞が重要であるため、急性炎症でも重要な要素だと誤って判断する可能性がある。混同注意:急性炎症の血管・細胞反応と、その後の修復・治癒過程における細胞増殖を混同しやすい。
国試ポイント
急性炎症と慢性炎症の病理学的特徴を明確に区別できるか、特にそれぞれの炎症形態に特徴的な細胞の種類(急性:好中球、慢性:リンパ球、マクロファージ、形質細胞など)や、血管反応、組織修復過程との関連を正確に把握しているかが問われています。
混同注意
急性炎症と慢性炎症の主要な細胞浸潤(好中球とリンパ球・マクロファージ)や、炎症の初期段階に起こる現象と、その後の修復・治癒過程で起こる現象(線維芽細胞増殖、組織構築改変)を混同しやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、急性炎症と慢性炎症の病理学的特徴の比較、または炎症の種類に応じた主要な細胞や分子、臨床症状について問われる可能性があるため、それぞれの特徴を整理して記憶しているかを確認する必要があります。
関連知識
急性炎症の5主徴(発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害)、炎症メディエーター(ヒスタミン、プロスタグランジン、ロイコトリエン、サイトカインなど)の作用、血管透過性亢進のメカニズム、走化性、急性相反応について理解していることが望ましいです。