静脈血が流れているのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
肺動脈は心臓の右心室から肺へ、臍帯動脈は胎児から胎盤へ、それぞれ二酸化炭素を多く含む静脈血を運ぶ例外的な動脈です。これに対し、大動脈、気管支動脈、総腸骨動脈は、全身や特定の器官組織へ酸素を豊富に含む動脈血を運ぶ通常の動脈です。
選択肢ごとの解説
- 1. 大動脈は、左心室から全身に向けて酸素を豊富に含む動脈血を送り出す、体循環の主要な血管です。正しくは:大動脈には酸素を多く含む動脈血が流れています。選びやすい理由:「動脈」という名称から、血流の方向は正しく理解できても、流れる血液の種類(動脈血か静脈血か)の例外を知らないと、他の動脈と同様に考えてしまう可能性があります。混同注意:肺動脈や臍帯動脈のように、名称とは異なる種類の血液が流れる例外的な動脈と混同する可能性があります。
- 2. 正解。肺動脈は、右心室から肺へ血液を送る血管です。この血液は全身の組織で酸素を消費し、二酸化炭素を多く含んだ静脈血であり、肺でガス交換が行われた後に動脈血となります。したがって、肺動脈には静脈血が流れています。
- 3. 正解。臍帯動脈は、胎児から胎盤へ血液を送る血管です。この血液は胎児の代謝によって生じた二酸化炭素や老廃物を多く含んだ静脈血であり、胎盤でガス交換と栄養交換が行われます。したがって、臍帯動脈には静脈血が流れています。
- 4. 気管支動脈は、大動脈から分岐して肺組織自体(気管支や肺胞壁など)に酸素と栄養を供給するための血管です。したがって、酸素を豊富に含む動脈血が流れています。正しくは:気管支動脈には酸素を多く含む動脈血が流れています。選びやすい理由:「肺動脈」と同じく肺に関連する血管であるため、混同して静脈血が流れると誤解する可能性があります。しかし、両者は役割が異なります。混同注意:肺動脈(静脈血が流れる)と、気管支動脈(動脈血が流れる)の区別。
- 5. 総腸骨動脈は、大動脈から分岐し、下肢などへ酸素を豊富に含む動脈血を供給する体循環の血管です。正しくは:総腸骨動脈には酸素を多く含む動脈血が流れています。選びやすい理由:他の多くの「動脈」という名称の血管と同様に、動脈血が流れることを知っていれば、この選択肢を誤って選ぶことは少ないかもしれません。ただし、例外を知らないと、すべての「動脈」に動脈血が流れると誤解する可能性があります。混同注意:体循環の主要な動脈の一つであり、肺動脈や臍帯動脈といった例外とは異なる通常の動脈であることを理解する必要があります。
国試ポイント
血管の名称と、そこに流れる血液の種類(動脈血か静脈血か)に関する基本的な知識が問われています。特に、名称と流れる血液の種類が一致しない「肺動脈」と「臍帯動脈」が、国家試験では頻繁に問われる重要ポイントです。体循環、肺循環、胎児循環における各血管の役割を理解しているかを確認する問題です。
混同注意
「動脈」という名称の血管には必ず動脈血が流れる、あるいは「静脈」という名称の血管には必ず静脈血が流れるという誤解(例:肺静脈には動脈血が流れる)。また、肺動脈と気管支動脈など、似た名称を持つ血管の役割の違いを混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合は、「動脈」と名前がついていても静脈血が流れる血管(肺動脈、臍帯動脈)と、「静脈」と名前がついていても動脈血が流れる血管(肺静脈、臍帯静脈)の区別を最優先で確認しましょう。さらに、各血管が心臓のどの部屋と繋がり、どの器官へ血液を運ぶか、その血液がどのような状態(酸素が多いか少ないか)であるかを具体的にイメージできるかが重要です。
関連知識
体循環、肺循環、胎児循環の経路と、それぞれの循環における動脈、静脈の役割を理解することが重要です。動脈血と静脈血の定義(酸素飽和度、二酸化炭素濃度)についても正確に把握しておく必要があります。さらに、リンパ管には血液が流れないこと、門脈系(肝門脈など)の特殊性も関連知識として挙げられます。