輸血関連急性肺障害について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
輸血関連急性肺障害(TRALI)は、輸血中または輸血終了後6時間以内に発症する急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に類似した非心原性の肺水腫です。原因として、ドナーの血液中に含まれる抗HLA抗体や抗好中球抗体が患者の白血球と反応し、肺毛細血管内皮細胞を傷害することが挙げられます。特に多産婦由来の血液製剤でリスクが高いとされています。
選択肢ごとの解説
- 1. TRALIは心原性の肺水腫ではなく、非心原性の肺水腫です。心拡大は心機能の異常を示唆し、TRALIでは通常認められません。正しくは:心陰影拡大は通常認められない。選びやすい理由:輸血後の呼吸困難では心不全も鑑別疾患になるため、心陰影拡大が関連すると誤解しやすい。混同注意:心原性肺水腫と非心原性肺水腫の鑑別点
- 2. 蕁麻疹はアレルギー反応の一症状であり、TRALIの主要な症状ではありません。TRALIは肺に特異的な炎症反応が主で、呼吸困難や低酸素血症が特徴です。正しくは:呼吸困難や低酸素血症が主症状である。選びやすい理由:輸血副作用としてアレルギー反応がよく知られているため、一般的な輸血副作用と混同しやすい。混同注意:アレルギー反応(蕁麻疹、掻痒感)とTRALI(呼吸困難、低酸素血症)の症状
- 3. TRALIは輸血量に関わらず発生する可能性があります。原因はドナー由来の抗体や生物学的活性物質であるため、輸血量とは直接関連しません。正しくは:輸血量に関わらず発生する。選びやすい理由:輸血の副作用には大量輸血に伴うものもあるため、TRALIもその一種だと誤解しやすい。混同注意:大量輸血に伴う合併症(クエン酸中毒、低体温症など)とTRALIの原因
- 4. TRALIは、女性ドナー(特に多産婦)の血漿に存在する抗HLA抗体や抗好中球抗体が原因となることが多いため、女性ドナー由来の製剤でリスクが高いとされています。正しくは:女性ドナー(特に多産婦)由来の血漿製剤で発生率が高い。選びやすい理由:ドナー性別が原因に関連する知識があるため、どちらの性別か迷いやすい。混同注意:ドナーの性別とTRALI発生リスクの関連
- 5. 正解。TRALIは輸血中または輸血終了後6時間以内に急速に発症する急性肺障害と定義されています。選びやすい理由:発症時間の知識は正確に覚える必要があるため、時間に関する選択肢は注意が必要。混同注意:他の輸血副作用の発症時間(遅延型溶血性輸血反応など)
国試ポイント
輸血関連急性肺障害(TRALI)の定義、発症時間、症状、原因、リスク因子を正確に理解しているかを問う問題です。他の輸血副作用との鑑別点も重要になります。
混同注意
アナフィラキシーショック、細菌汚染による敗血症、心不全による肺水腫、大量輸血に伴う合併症(TACO: Transfusion Associated Circulatory Overload)
次に同じ論点が出たら
TRALIの診断基準や治療法、予防策について理解しているか。特にドナー選定におけるTRALI予防策(例:高リスクドナーの血漿使用制限)も問われる可能性があります。
関連知識
輸血副作用の種類(溶血性、非溶血性発熱性、アレルギー性、アナフィラキシー、TRALI、TACOなど)、それぞれの病態、症状、検査所見。輸血製剤の種類と特性。輸血中のモニタリングと対応。