赤血球製剤の輸血で急性溶血反応を起こさない組合せはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ABO式血液型における赤血球製剤の輸血では、患者の血漿中に存在する抗体と供血者の赤血球表面の抗原との反応が最も重要です。急性溶血反応は、この抗原抗体反応によって引き起こされます。患者がAB型の場合、血漿中に抗A抗体も抗B抗体も持っていないため、A型、B型、O型、AB型のいずれの赤血球も理論上は輸血可能です(ただし、通常は同型輸血が原則)。供血者A型の赤血球はA抗原を持ちますが、患者AB型は抗A抗体を持たないため、溶血反応は起こりません。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者A型の場合、B型抗原に対する抗B抗体を持っているため、B型血液を輸血すると抗原抗体反応により溶血を起こします。正しくは:この組み合わせでは急性溶血反応のリスクが非常に高いです。選びやすい理由:ABO式血液型の原則を理解していれば、この選択肢は容易に除外できます。混同注意:供血者の血漿中の抗体が患者の赤血球に反応する「輸血後GVHD」や「間接クームス試験の偽陽性」などと混同することはありません。
- 2. 患者B型の場合、A型抗原に対する抗A抗体を持っているため、A型血液を輸血すると抗原抗体反応により溶血を起こします。正しくは:この組み合わせでは急性溶血反応のリスクが非常に高いです。選びやすい理由:1番と同様に、ABO式血液型の基本知識で除外可能です。混同注意:ABO不適合輸血の基本原則です。
- 3. 患者B型の場合、A型抗原に対する抗A抗体を持っているため、AB型(A抗原とB抗原を持つ)血液を輸血すると抗原抗体反応により溶血を起こします。正しくは:この組み合わせでは急性溶血反応のリスクが非常に高いです。選びやすい理由:AB型が「万能輸血者(血漿の場合)」というイメージと混同するかもしれませんが、赤血球製剤では患者の抗体と供血赤血球の抗原が反応するため、適用されません。混同注意:AB型は血漿成分の輸血では「万能輸血者」となりえますが、赤血球製剤ではA抗原とB抗原を持つため、抗A抗体や抗B抗体を持つ患者には輸血できません。
- 4. 患者O型の場合、A型抗原に対する抗A抗体とB型抗原に対する抗B抗体を持っているため、A型(A抗原を持つ)血液を輸血すると抗原抗体反応により溶血を起こします。正しくは:この組み合わせでは急性溶血反応のリスクが非常に高いです。選びやすい理由:O型が「万能供血者(赤血球製剤の場合)」であるという知識から、他の型の供血も可能と誤解する可能性がありますが、それはO型から他の型への話であり、O型患者は他の型の赤血球を受け入れることはできません。混同注意:O型が赤血球製剤の「万能供血者」であることと、O型患者が他の血液型を受け入れられることの混同。
- 5. 正解。患者AB型は、A抗原とB抗原の両方を持っているため、血漿中に抗A抗体も抗B抗体も持っていません。したがって、A型(A抗原を持つ)血液を輸血しても、患者の血漿中の抗体との反応による溶血は起こりません。
国試ポイント
ABO式血液型不適合輸血による急性溶血反応のメカニズムと、各血液型間の適合性を理解しているかどうかが問われる問題です。特に、患者の血液型と供血者の赤血球抗原の適合性が重要であることを把握している必要があります。
混同注意
赤血球製剤の輸血と血漿製剤の輸血における適合性の違い。赤血球製剤では患者の抗体と供血赤血球の抗原、血漿製剤では供血者の抗体と患者の赤血球抗原が問題となります。また、Rh式血液型など他の血液型抗原の関与も混同しやすい点ですが、この問題ではABO式に限定されています。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、まず『赤血球製剤の輸血である』という点を確認し、次に『患者が持っている抗体』と『供血者の赤血球が持っている抗原』をリストアップして照合することで判断します。
関連知識
ABO式血液型の抗原と抗体の保有状況、輸血前の交差適合試験(主試験・副試験)、不規則抗体スクリーニング、微量輸血の際の適合性判断。