ABO不適合輸血において低下するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ABO不適合輸血では血管内溶血が起こり、赤血球が破壊されてヘモグロビンが血中に遊離します。ハプトグロビンは血中の遊離ヘモグロビンと結合して腎臓からの排泄を防ぐ役割を持つタンパク質です。溶血が進行すると、大量の遊離ヘモグロビンが放出され、ハプトグロビンはそれらと結合して消費されるため、血中のハプトグロビン濃度は低下します。
選択肢ごとの解説
- 1. 溶血反応によって赤血球内のASTが血中に放出されるため、数値は上昇する傾向にあります。正しくは:ASTは上昇します。選びやすい理由:肝機能指標であるため、混乱しやすいかもしれませんが、溶血による影響で上昇します。混同注意:肝機能障害と溶血性疾患での酵素の動き。
- 2. 溶血反応によって赤血球内のLDが血中に放出されるため、数値は上昇します。特にLD1、LD2のアイソザイムが顕著に上昇します。正しくは:LDは上昇します。選びやすい理由:一般的な逸脱酵素であるため、溶血との関連性を意識していないと誤解しやすいかもしれません。混同注意:他の臓器由来のLD上昇と区別がつきにくい可能性。溶血性貧血で高値になることを忘れる。
- 3. 赤血球内に多く含まれるカリウムは、溶血によって細胞外(血中)に放出されるため、血清カリウム値は上昇します。正しくは:カリウムは上昇します。選びやすい理由:体液バランスの乱れと関連する項目ですが、溶血では高カリウム血症になります。混同注意:細胞内・細胞外液中のイオン濃度と、溶血時のカリウムの動き。
- 4. 正解。ハプトグロビンは、溶血によって遊離したヘモグロビンと結合し、その複合体は網内系で処理されるため、血中のハプトグロビン濃度は低下します。
- 5. ABO不適合輸血による血管内溶血では、赤血球が破壊され、細胞内のヘモグロビンが血漿中に遊離するため、遊離ヘモグロビン濃度は上昇します。正しくは:遊離ヘモグロビンは上昇します。選びやすい理由:溶血反応の直接的な結果であるため、溶血に伴う変化として考えやすいですが、これは『上昇する』項目です。混同注意:溶血によって何が『増える』か、『減る』か。
国試ポイント
溶血性疾患や輸血反応に伴う検査値の変動、特に溶血マーカーの基本的な知識が問われています。ハプトグロビンは溶血によって低下する代表的な項目であり、遊離ヘモグロビン、LD、AST、カリウムなどが上昇することとセットで理解しておく必要があります。臨床検査技師として輸血検査や血液検査を行う上で必須の知識です。
混同注意
溶血によって上昇する項目(LD、AST、遊離ヘモグロビン、カリウム、間接ビリルビンなど)と、低下する項目(ハプトグロビン)を混同しやすい。特に、ハプトグロビンがヘモグロビンと『結合する』ため、その濃度自体は『減る』というメカニズムを理解していないと間違えやすい。
次に同じ論点が出たら
溶血性貧血が疑われる患者の検査データを見た際に、どの項目が溶血を示唆するのか、またその変化の方向性(上昇か低下か)を正確に判断できるか。
関連知識
溶血性貧血の検査所見(網状赤血球増多、間接ビリルビン上昇、ビリルビン尿、ヘモジデリン尿、クームス試験陽性・陰性など)、溶血の機序と分類(血管内溶血、血管外溶血)、溶血反応の緊急時の対応。輸血副作用の種類と症状。