Child-Pughスコアに使用されるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
Child-Pugh分類は、肝硬変の重症度を評価するために用いられる指標です。以下の5つの項目を点数化して肝機能をA、B、Cの3段階に分類します。(1) 腹水 (2) 肝性脳症 (3) 血清ビリルビン値 (4) 血清アルブミン値 (5) プロトロンビン時間(またはINR)。この問題の選択肢では、アルブミンとプロトロンビン時間が該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. ALTは主に肝細胞の逸脱酵素であり、肝炎などの肝細胞障害の指標として用いられますが、Child-Pugh分類の評価項目には含まれません。正しくは:ALTは肝細胞障害の指標ですが、Child-Pughスコアには直接用いられません。選びやすい理由:肝機能の指標として広く知られているため、関連があると思われやすいです。混同注意:Child-Pugh分類が肝疾患の重症度分類であるため、肝機能検査の代表的な項目(ASTやALTなど)と混同しやすいです。
- 2. γ-GTは胆道系酵素であり、主に胆汁うっ滞やアルコール性肝障害の指標となりますが、Child-Pugh分類の評価項目には含まれていません。正しくは:γ-GTは胆道系やアルコール性肝障害の指標ですが、Child-Pughスコアには直接用いられません。選びやすい理由:肝機能検査の一環としてよく測定されるため、関連があると思われやすいです。混同注意:肝疾患のスクリーニングや経過観察で用いられる項目であるため、Child-Pugh分類の構成要素と誤解されやすいです。
- 3. 正解。血清アルブミンは肝臓で合成されるタンパク質であり、肝臓の合成能力を反映する重要な指標です。Child-Pugh分類において、低値であるほど肝機能障害が重度と評価されます。
- 4. コリンエステラーゼも肝臓で合成される酵素であり、肝合成能の指標となりますが、Child-Pugh分類の評価項目としては採用されていません。正しくは:コリンエステラーゼは肝合成能の指標となり得ますが、Child-Pughスコアの公式項目ではありません。選びやすい理由:アルブミンと同様に肝合成能を反映する指標であるため、Child-Pugh分類の項目として適切だと誤解されやすいです。混同注意:アルブミンやプロトロンビン時間といった、Child-Pugh分類に含まれる他の肝合成能指標と混同されやすいです。
- 5. 正解。プロトロンビン時間(PT)は肝臓で合成される凝固因子(II, VII, IX, X)の機能を反映し、肝臓の合成能力の指標となります。延長しているほど肝機能障害が重度と評価されます。
国試ポイント
Child-Pugh分類は肝硬変の重症度評価として非常に重要であり、その構成要素は国家試験で頻繁に問われます。特に、どの検査値が肝臓のどの機能(合成能、排泄能など)を反映しているかを理解しておく必要があります。臨床症状の項目(腹水、肝性脳症)も合わせて覚えておきましょう。
混同注意
肝機能検査の項目は多岐にわたるため、個々の検査値がChild-Pugh分類に含まれるかどうかを正確に記憶していないと、代表的な肝逸脱酵素(ALT, AST)や胆道系酵素(γ-GT, ALP)などと混同しやすいです。また、肝合成能を反映する他の指標(コリンエステラーゼなど)も誤って選択肢として選んでしまう可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次回この論点が出題された場合、Child-Pugh分類の残り3つの項目(血清ビリルビン、腹水、肝性脳症)や、他の肝疾患重症度評価スコア(MELDスコアなど)の構成要素が問われる可能性が高いです。また、それぞれの項目が肝臓のどのような病態を反映しているのか(例:アルブミン低値は肝合成能低下)という病態生理学的理解も重要となります。
関連知識
MELDスコア:肝臓移植の適応判断などに用いられる別の重症度評価スコア。血清ビリルビン、INR、血清クレアチニンを用いる。肝臓の機能:合成機能(アルブミン、凝固因子、コリンエステラーゼなど)、代謝・解毒機能(ビリルビン、アンモニアなど)、排泄機能(ビリルビン、胆汁酸など)。各検査値がどの機能を反映するか。肝硬変の合併症:腹水、肝性脳症、食道静脈瘤、肝細胞癌など。